フロントには専用レカロシートを採用したスパルタンな仕立てに
スタイリングは標準モデルとの差別化がしっかり図られている。インナーブラックのメッキベゼル採用ヘッドライトやカーボン調フロントバンパーアッパーガーニッシュ、ブラック塗装の15インチアルミホイールに加え、レッド塗装のブレーキキャリパーも装備。インテリアはフロントシートにレカロ社製シートやレッドステッチの本革巻きステアリング&シフトブーツ、ステンレス製ペダルプレートなど、スポーツモデルらしいあしらいは、メーターパネルも含めて走りにこだわるモデルに相応しいものであった。
ただし、セミバケットタイプのレカロシートを採用したことで、運転席に座ったままヘルメットをかぶらなくてはならないシーンでは、頭上空間にスペースがなく車内で被れないという声もあった。その理由はレカロシート自体が肉厚な設計であり(それ故に快適なのだが)、シートレールの構造により着座位置(シートレールの構造による)が標準モデルに対して高くなっていることが原因のようだ。
5世代に渡りワークスを作り続けたスズキに感服! 次期型にも期待
現時点で最後のアルトワークスとなる5代目アルトワークスは、優れたボディと最新設計のサスペンションなどにより、シャーシ性能は細部にまで煮詰めて送り出された。そして、今秋には新型アルトワークスがデビューするのではないか? と噂があちこちで飛び交うなかで、現時点で現行モデルにはワークスの設定がないことから、先代の5代目(HA36S型)の中古車価格は少しずつ高騰傾向にある。もちろん、新車価格自体が150万9840円〜165万6540円(2018年改良モデル)とリーズナブルであったことから、値上がり率が高いように感じてしまいがち。
それなら次期型を……と考えたくもなるが、あくまでも噂やスクープの域を脱することができず、現状では出るとも出ないとも言えない。しかし、今後のスズキに期待したいのは、これからもワークスを作り続けること。もはやアルトワークスにはFFではなく4WDターボ×MT車一択のモデル構成で、ファンの期待に応えてほしい。そしてアルトワークスを愛するユーザーが、やがて家族が増えたことで、スイフトスポーツやソリオに流れていくような構図が出来上がれば、末永くスズキファンをつなぎ止めることができるはず。
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これまでもスズキはアルトワークスを大切にしてきたことで、このワークスモデルに触れてスズキファンになったユーザーも多いはず。アルトワークスはそれだけの歴史を築き、リーズナブルでありながらも走りはピリ辛なスポーツモデルを作り続けてきたスズキを愛するファンのために、今後もアルトワークスは必要な存在だと願いながら、新型の登場に期待したい。