6穴のハイエースに5穴に変換する場合は注意が必要だ!
さらにP.C.D(ピッチ・サークル・ダイアメーター)と呼ばれるスペックもある。こちらはハブボルトを結んで描かれる円の直径を表す数値であり、P.C.Dには100や114.3などさまざまなスペックがある。数値の単位はmmで数字が大きくなるとハブボルトの取り付けられている部分の直径が大きくなる。ハイエースは6穴に加えてP.C.D=139.7と一般的な乗用車よりも数値が大きく、耐荷重を考慮した設計になっていることが分かる。これがトラックになるとP.C.D=275などになり、大きなサイズを設定することになることからも、軸重とP.C.Dの関係の重要さをうかがい知ることができる。
またホイールの取り付け強度の面で、もうひとつのポイントになっているのがハブボルトの太さ。ランドクルーザー300では6穴、P.C.D=139.7に加えてM14のボルトが用いられていることがデビュー時に話題になったが、こちらも耐荷重を考えた設計となっている(ちなみにランドクルーザープラドやハイエースはM12を採用)。
ボルト穴数、P.C.D、ボルトの太さは、いずれもホイール選びには必須のスペックなので、愛車のホイール交換時にはしっかり把握してホイールチョイスに臨むと良いだろう。しかしどうしても6穴の車両に5穴しかラインアップがないホイールを履きたいというカスタムユーザーもいる。その場合には自己責任ながら6穴→5穴に変換できるキットも用意されている。また同型車種で5穴のハブを持つグレードや年式がある場合には、ハブやホーシングを丸ごと5穴モデルのパーツに交換する手法もある。いずれもメーカーが設計した耐荷重とは異なる仕様になるので、カスタムはあくまでも自己責任になるので注意が必要だ。
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このようにホイールの穴数などを見るだけで車両総重量などのクルマの性格がある程度分かることが理解できたのではないだろうか。ホイールのデザイン性を大きく左右するボルト穴数だが、近年のホイールには多彩なボルト穴、P.C.Dの設定があるので、愛車のスペックと照らし合わせてホイール選びをすると良いだろう。