狭い日本だからこそ発展したドアガード
一方の日本では事情が異なるため独自の進化を遂げている。そもそもボディ側面に樹脂のモールが設定されている車種が多いうえに、日本ではボディに物を立てかけないため、社外のドアモールを装着するカルチャーはあまり発展しなかった。代わりにポピュラーとなったのが、ドアガードだ。こちらはドア全体ではなくドアエッジを中心にプロテクトする製品が多く、ドアを開閉する際に壁に当ててドアエッジの塗装が剥がれるのを防ぐという、駐車場の狭い日本に適応したアイテムだ。
ドレスアップの定番アイテムだった時代もあった
このドアガードは文字どおりドアエッジに挟み込むだけと装着も簡単なうえに、日本の環境にマッチしていたたため、日本でのみ発展を遂げることになる。70年代にはすでにドアガードが存在していたようだが、80年代にはドレスアップ目的も兼ねてクローム装飾されたものがポピュラーとなり、ディーラーでも純正オプションアクセサリーとして設定されるようになる。とくに白や黒のボディカラーが多く売れた80年代から90年代にかけては多くの車両がドアエッジモールを装着しており、日常の風景に溶け込んでいた。
衰退したものの今でも細々と販売中
その後は徐々に姿を消し始め、2000年ごろになるとあまり見かけなくなってしまう。これはクルマ自体が豪華装備となり、純正のクローム加飾も一般的になってきたことも理由に挙げられるが、単純に流行の終焉が大きな理由であると思われる。
ちなみに今でもディーラーオプションに設定されているクルマもあり、カー用品店などではドアエッジモールが販売されているため、完全に廃れたわけではなく、自宅駐車スペースが狭いユーザーなどには根強い人気を誇っているニッチなアイテムなのだ。