全米を巡業し続けるウィンナーモービルは子どもたちの人気者
1936年にデビューした初代以来、それを「話題作りのための一発屋」として終わらせることなく、今もなお走り続けるウィンナーモービルは、子どもたちを中心に高い人気を誇る。ダッジやウィリス、シボレーにいすゞ(!)など、そのベースとなるシャシーは時代とともにさまざまなメーカーのものを用いつつ、全米を巡業し続けるウィンナーモービル。そのドライバーは「ホットドッガーズ」と呼ばれる人気の職業で、訪れた街では子どもたちにウィンナーホイッスルと呼ばれるおもちゃの笛を配布したりするという。
最新のウィンナーモービルは11代目ともいわれ、現在も複数台が全米各地を巡業している。また、同社が1973年から放映したテレビ・コマーシャルは、アメリカでもっとも長い期間放映されたといわれるが、ここからもひとつのことを長く継続する同社の社風がうかがえる。
じつは日本にもプリマハムが1台入れていた
そんな子どもたちの人気者でもあるウィンナーモービルは、アメリカではさまざまなおもちゃにもなっている。ウィンナーホイッスルに貯金箱、ミニカーにぬいぐるみまで、多種多様だ。
トラックの荷台にモニターを搭載しただけの昨今の宣伝カーは確かに効率的ではあるが、無味乾燥。ウィンナーモービルが90年近くにわたって積み上げてきた歴史とは比ぶべくもないのである。
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最後に蛇足ながら、このウィンナーモービルは日本にも1台存在する。プリマハムが1988年型のウィンナーモービルをオスカー・マイヤーから入手して、自社の全国販促キャラバン用に使用した後、現在は同社の三重工場に静態保存されている。