モノブロックとマルチピース。両者装着時のルックスの違いとは?
ホイールは1ピース/2ピース/3ピースと、3つの構造に分類されることはご存知だろうか。じつは、この“構造”の差で得られるメリットが変わるため、ホイール選びの際に重要なキーワードとなる。ここでは、それぞれの構造について理解しつつ、ウェッズ・クレンツェの2モデル(1ピースと3ピース)と現行型ハリアーを題材に、実際に履かせたときのルックスの違いについて考察したい。
インチアップ効果が大きい1ピースホイール
1ピース(モノブロック)構造は、リムフランジまでスポークが伸びるため、視覚的な口径の大きさが引き立ちやすい。ゆえにインチアップ効果が高く、ホイールのデカさを主張したいという人にオススメだ。また、鋳造製法の1ピースモデルならば比較的に安価なモデルも多く揃うので、コストパフォーマンスの高さから初めてのドレスアップにも最適といえるだろう。
ただし、ディスク全面が強調されるため、デザインやフィニッシュ(色や切削)の差が大きく左右される。市販モデルの大半が1ピース構造だけに、差別化を図るためには妥協しないほうが良さそう。車格の高いハリアーだからこそ、作り込みに凝ったモデルを選びたい。装着モデルは「クレンツェ・ジルドーン384EVO」。装着サイズはフロント&リヤともに22×9.0J・インセット35(タイヤサイズ:245/30)。
圧倒的な高級感と存在感のマルチピース
マルチピース構造の美点は、ディスクとは別体となる“リムの存在感”だろう。外周にメリハリを効かせたその姿は、1ピース構造では表現不可能な重厚感と高級感が備わる。とくにタイヤハウス内のスペースが大きく、リム幅が確保しやすいハリアー用サイズは、一般的な車種用に比べてマルチピース構造の恩恵を受けやすい。
また、1ピース構造と比べてインチ数、リム幅やインセットといった設定サイズが豊富なのも美点。そのため、狙いどおりのフィッティングを実現しやすく、メーカーによってリムやディスクを設定色以外に変更可能なモデルが用意されるなど、こういった懐の広さもマルチピースならではのアドバンテージと言える。ここでは3ピース構造を採用した「クレンツェ・ジルドーン」を履いたハリアーを装着例として紹介。装着サイズはフロント&リヤともに22×9.5J・インセット29(タイヤサイズ:245/30)だ。
ホイールの構造の違いと特徴
ここではホイールの構造として分類される3種類(1ピース/2ピース/3ピース)についてあらためて紹介。その特徴や構造の違い、製法の違いなどを解説する。
コスパの高さが魅力で定番サイズが揃う1ピース
その名のとおり、ディスクとリムが一体成型となる構造。剛性を確保しやすく、製造工程もシンプルゆえにコスパが高いことでも知られる。サイズごとに金型が必要のため、リム幅やインセットは標準的なモデルが多いことも特徴だ。
別体リムによってインセットが自在になる2ピース構造
ディスクと別体となるリムを溶接で組み付け。ディスクの取り付け位置を自由に設定できるため、インセットをミリ単位でオーダーできるモデルが多く、ツライチも狙いやすい。デザインの自由度が高いことも魅力のひとつ。
3ピース構造は細部までコダワリ抜いたホイールの頂点
アウターとインナーの2枚のリム、ディスクで構成されるホイール界の王様。リムとディスクはピアスボルトで留められ、その間をシーリングされる。複雑な構造ゆえに高価だが、今回の記事で紹介しているウェッズの製品のように各パーツを豊富なカラーの中からオーダーできるメニューを利用すれば、さらに特別感を出すことが可能だ。