パワーとルックスを手に入れたBMW「2シリーズクーペ」
ドイツのチューナー、ACシュニッツァーが、BMWのG42型「2シリーズクーペ」用チューニングプログラムを発表した。発売は2022年8月末の予定となっている。その詳細を確認していこう。
ノーマルからプラス46馬力アップ!
まずエンジンだが、エンジン本体やターボチャージャーには手を加えず、「パフォーマンス・アップグレード」によってパワーアップが図られている。「M240i」と「M240i xDrive」に対応しているこのパフォーマンス・アップグレードは、エンジンを制御するDMEの機能はそのままに、各種センサーからの信号を変換することによって潜在能力を引き出す、いわゆるサブコンである。これにより、ノーマル状態で374ps/500N・mという出力が、420ps/600N・mまで引き上げられる。
マフラーはステンレス製で、左右に2本ずつのテールを持つ4本出しとなる。それぞれのテールはスポーティなイメージが強い「カーボンスポーツ」のほか、クロームメッキとブラックの「スポーツ」テールもラインアップしている。
サスペンションは約20〜25mmのローダウンが可能な「スプリングキット」がラインアップされた。2022年8月末にデリバリーされるのは6気筒エンジン用だが、4気筒エンジン用も発売に向けて開発されている。また、M240i xDrive用として「アダプティブサスペンション」も用意された。こちらのローダウン値も約20〜25mmとなっている。
ホイールはフローフォーミング製法を採用し、重量配分を最適化した「AC4」と「AC1ライトアロイホイール」をセッティング。サイズは前後ともに20×8.5Jで、フロントには245/30R20、リヤには255/30R20サイズのタイヤをセットするが、19インチサイズも、AC1であれば装着が可能。エアボリューム面からインチダウンを考える場合には、AC1を選択したい。
さらにオプションとして、12mm厚のスペーサーもラインアップした。ACシュニッツァー製ホイールは適正なインセット値となっているので問題はないが、BMW純正ホイールでスポーツ走行をする際に、トレッドを適正化できるのがこのアイテムのポイントだ。
機能に従ったデザインのエアロパーツ
エアロパーツは、Mエアロダイナミクスパッケージ(SA715)装着車用の「フロントスプリッター」と「リヤルーフスポイラー」、2ピースタイプの「リヤスポイラー」をラインアップ。「形は機能に従う」というACシュニッツァーのコンセプトに沿ったこれらのアイテムは、ハンドリングの改善やダウンフォースの向上を実現してくれる。さらに、バンパー上部をカバーし、傷を防いでくれる「リヤプロテクションフォイル」や「ACシュニッツァー・エンブレム」も用意されている。
インテリアにはセンターマークが配置され、親指を引っかけることができるグリップデザインを持った「スポーツステアリング」と、アルミ製の「ギアシフトパドル」を装備。同じくアルミ製の「ペダル/フットレスト」や「i-Drive Systemコントローラーカバー」、「キーホルダー」も用意されている。ステアリングはグリップ部にアルカンターラを採用しているため操作性がよく、パドルは操作しやすい形状となっているのが特徴。ペダルはゴムを適正に配置しているため滑りにくく、繊細なペダル操作を可能としてくれている。
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第2世代となったG42型2シリーズクーペを、より高いレベルへと引き上げてくれるのが、ACシュニッツァーのチューニング・プログラム。もちろんひとつのアイテムのみを装備してもいいのだが、開発は全体を通してトータルでおこなわれている。ACシュニッツァーが本当に狙ったところを味わうためには、コンプリート状態へと仕上げることを考えたいものだ。