X-ATも好調! 伝統の国産オフローダーブランド「ジオランダー」
四駆ファンなら知らぬ者はいないヨコハマのジオランダー。オンロード寄り~オフロード寄りまで幅広くシリーズを展開しているが、今も昔も安定して売れているのがMTタイヤのジオランダーM/T G003。国内外のクロカン系レースでも輝かしい実績を残してきたジオランダーのフラッグシップで、64ジムニーの装着率もかなり高い。
マッド性能に特化したワイルドなトレッドパターンに加え、耐サイドカット性も高めたサイドウォールも迫力満点。オフロードユースメインではあるが、今どきの商品らしく舗装路での静粛性も考慮されている。一般的な乗用タイヤに比べるとノイズは大きいものの、昔のMTタイヤのような耐え難いレベルではない。サイズは先に挙げた4種類をフルカバーしているので、選べるというのもポイントだ。
そんなジオランダーM/T G003に並び、注目度急上昇中なのがジオランダーX-AT。ジオランダーにはA/T G015というATタイヤもあるが、それよりもオフロード性能を強化したモデルだ。ショルダー部にはカタチの異なるふたつのブロックを、センター部には4タイプのブロックを配置。サイドブロックも大型のものを採用しており、ATタイヤとしてはなかなかアグレッシブである。
2019年にデビューした比較的新しめのブランドながら、急速にラインアップを拡大しており、ジムニーユーザーのファンを増やしている。ちなみに195R16サイズは片側アウトラインホワイトレター仕様。ベタ塗りではなく、文字のフチのみ白というのがさり気なくていい感じだ。
【ヨコハマ・ジオランダーシリーズ おもなジムニー向け商品一覧】
●ジオランダーM/T G003
175/80R16、185/85R16、195R16、215/70R16●ジオランダーX-AT
195R16(片側アウトラインホワイトレター)、215/70R16●ジオランダーA/T G015
175/80R16、185/85R16(片側アウトラインホワイトレター)、215/70R16
サイズは少ないがグッドリッチも人気! さらにワイルドピークも今後来る!?
ミシュランの名門SUVブランド・BFグッドリッチも、少ないながらジムニー向けサイズあり。オールテレーンT/A KO2がそれで、サイズは215/70R16を設定。名前の通りATタイヤなのだが、トレッドはデコボコと立体的でタフな雰囲気だ。実際にオフロード性能も高い。そして何より、ホワイトレターのバランスがGOOD。お洒落に見えるのが最大の長所だろう。ただしLT(ライトトラック)規格ということで、やや重く、乗り味も硬めで振動が出やすい。
オールテレーンT/A KO2には、225/70R16という215のワンサイズアップもあるのだが、外径はともかく幅が際どい。また同じくBFグッドリッチのMTタイヤ、マッドテレーンT/A KO3にも205/80R16というサイズが存在するが、こちらの幅は許容範囲ながら外径は740ミリと厳しい。どちらもビギナーには勧められない。
またファルケンのワイルドピークから、ATタイヤのワイルドピークA/T3Wが純正サイズの175/80R16を展開。同社MTタイヤのワイルドピークM/T01も、昨年ジムニー向けに185/85R16が追加された。今後さらにサイズが出揃ってくれば、より注目度も高まってくると思われる。
そのほか、国産ブランドではブリヂストンからデューラーA/T001とデューラーM/T674が、ダンロップからグラントレックAT5とグラントレックMT2から、ジムニー向けサイズがラインアップされている。
サイズ表記は同じでも微妙な差異もアリ! 静粛性や乗り心地なども含めて検討を
今回紹介した4サイズは、基本的に干渉リスクが少なくノーマル車にも履きやすいが、前述の通り、195と215は確実に車検OKとはいえない。検査場や現場の検査官の判断によっても変わってくるし、純正ホイールならセーフになっても、インセット値の小さな社外ホイールに組むとはみ出してしまうこともある。
また同サイズでも銘柄によってタイヤ幅や外径は微妙に変化する。例えば今回は割愛したが、オープンカントリーR/Tの225/70R16は、表記上のタイヤ幅は225ミリと明らかなオーバーサイズ。しかし実際のタイヤ総幅は216ミリであり、ジムニーに履かせてみると、ツライチ~数ミリはみ出しくらいに収まったりするのだ。
これと逆パターンもなきにしもあらずなので、心配な人はジムニーに詳しいタイヤショップに問い合わせたり、ネットで口コミを調査するのも有効。また乗り心地や静粛性といった部分は、人によって感じ方も変わる。サイズ的に履ける、履けないだけでなく、自分の用途に合っているのか? 履かせたときのバランスはどうか? など、総合的に考えて選びたい。