細かいことに目をつぶれば安く楽しめるクルマは多い
中古車市場が高騰していると話題の今日この頃だが、まだまだ遊べるクルマはたくさんある。細かいことさえ言わなければ、予算50万円程度でも十分に走って遊べる素材は手に入るし、安く手に入れた分、パーツやタイヤに投入して楽しめる! いま狙い目の激安スポーツカーを紹介しよう。
マツダRX-8(5速MT仕様/2003年登場)
50万円でもギリギリRX-8が手に入る。マツダが唯一こだわり続けたロータリーエンジンを積んだスポーツカーの最終形として、NAロータリーで登場させたのがRX-8だ。独特のエンジン音とフィール、剛性あふれるボディと、よく動く足まわりはハンドリングが素晴らしい。
この価格で手に入るとなると、ほぼ5速MTモデルに限られる。じつは6速MTモデルとはエンジン自体の仕様から異なっていて、6速MTが前期で250psなのに対して5速MT仕様は210psだった。なのでギヤ比のつながり以前に、そもそも遅い。筑波サーキットで1分1秒とかで走っているのはもちろん6速MTモデルがベースなので、5速MTではそういったタイムは望めないのであしからず。
それでも、最後のロータリーエンジンを味わえるだけの価値が50万円の5速MTにはあると断言する。街中の燃費も悪ければ高速道路の燃費も悪いとか、過走行車はエンジンの寿命が心配とか、ネガティブな点を挙げればきりがないが、それを補ってあまりあるドライビングの楽しさが、RX−8にはある。(※写真は6速MTモデルです)
スズキ・スイフトスポーツ(ZC31S/2005年登場)
初代なのか2代目なのかわからないスイフトスポーツも50万円で買える。正確には日本ではKeiベースの普通車だったHT81S型スイフトスポーツが初代で、ZC31Sは2代目だが、なぜか近年スズキがZC31Sが初代スイフトスポーツだと言い出したから、ちょっとややこしい。
1600ccに5速MTを組み合わせたFF車で、ボディ剛性も十分。走って遊べる現代スポーツコンパクトの代表的なクルマである。ただし、50万円で買えるとなると10万km以上の物件になる。エンジンもトランスミッションもボディもタフだが、10万kmを酷使されていたらちょっと不安になるので、しっかりと水まわり、オイルまわり、ベルト交換などのメンテナンスをするのがオススメだ。
水温管理に気をつけ、オイルクーラーを装着して油温を下げれば、サーキットで練習し放題したとしても、思いのほか各部は傷まない。パッドやタイヤの減りも少ないので、ドラテク修行車にオススメである。
トヨタ・ヴィッツRS(初代/2000年登場)
ヴィッツのスポーツグレード「RS」も初代だったら手が届く。軽量で剛性あるボディに1500ccのエンジンを搭載したRSはなかなか刺激的だ。このころのトヨタ車の常で、なぜかチューニング人気に火は付かなかったが、クルマとしてはよく出来ている。とくにこのヴィッツのボディは剛性が高く、スポーツ走行にも応えてくれる頼もしさがある。
パーツも少ないため、チューニングして遊び放題という訳にはいかないが、トヨタ車らしくタフなので、存分に走って遊びたい人にはピッタリ。タイヤサイズの小ささもランニングコストを抑えるのに効果的だ。
マツダ・マツダスピードアクセラ(2006年登場)
2.3Lエンジンにターボを組み合わせて265psを発揮。そんなにパワーを出したのに受け止めるのはフロントタイヤのみという近年まれに見るじゃじゃ馬だったのが、このマツダスピードアクセラだ。
マツダスピードアテンザも同様のユニットだったが、車重が軽い分アクセラの方が刺激的で、雨が降ったら3速までホイールスピンするというパワーが持ち味だった。
タマ数も少ないが、価格もさほど高くないので買いやすい。マフラーやサスなどパーツが少ないのでチューニングのバリエーションは付けられないが、パワーを活かしてブイブイ走って楽しむなら悪くない素材だ。
AMWでオススメの激安スポーツカー4台、いかがだっただろうか。特に、免許取得したばかりでサーキット走行を志向している若者は、まずはこうしたお手軽に買える中古車でドラビングテクニックを磨いてから、本当に憧れているクルマへステップアップすることをおすすめする。