高齢者が乗り降りしやすいクルマの条件とは?
足腰の弱った高齢者(両親など)をクルマの後席に快適に乗せてあげたい……そんな要望に応えてくれるのは、どんなクルマだろうか。ここでは軽自動車を例に、足腰の弱った高齢者が乗りやすいクルマではなく、逆に乗りにくいかもしれない中古モデルを紹介したい(※注:あくまで一般論です。乗り降りのしやすさは乗降者個々によって異なります)。
ステップ/フロア地上高が重要なポイント
まず先に、足腰の弱った高齢者が乗り降りしやすいクルマと言えば、両側スライドドアを備えたスーパーハイト系軽自動車が挙げられる。理由は、車高が高く、リヤドアのステップが低く、サイドシルとフロアに段差のないワンステップで、開口部が高く、車種によってはセンターピラーにアシストグリップがあるようなクルマだからだ。
スライドドアなら車体に向って真っすぐに、玄関ドアをくぐるように乗り込め、ステップが低く段差がなければ足さばきが楽で、ドア開口部の高さがたっぷりあれば、背をかがめずに、無理な姿勢にならずに乗降できるからである。それにセンターピラーのアシストグリップがあれば理想的というわけだ。
また、意外に見落としがちなのが、フロアに対するシート位置。ここが低いと、乗降時の腰の移動量が増え、足腰の弱った高齢者としては辛くなってしまうのだ。できればフロアに対するシート先端の高さ=ヒール段差が高めなほうがよい(350mm以上あれば乗車、降車性ともに合格だ)。
では、本題。スーパーハイト系軽自動車が足腰の弱った高齢者に最適なクルマであることは、高齢者施設の移動用のクルマが両側スライドドアを備えたクルマ(スーパーハイト系軽自動車、ミニバン)が多いことからも納得できる。
一方で、足腰の弱った高齢者にあまり適していない軽自動車と言えば、やはり全高が低いセダンタイプで、リヤヒンジ式ドア、サイドシルとフロアに段差があったり、ヒール段差が低めのクルマ、ということになる。