アウディが親会社になって作られた「ディアブロVT6.0」
アヴェンタドールの生産が終焉を告げたランボルギーニにとって、1990年に誕生したディアブロは、まもなく発表されるだろうニューモデルから数えて3世代前のフラッグシップモデルとなる。実際に見るディアブロは、現代のスーパースポーツと比較すればかなりコンパクトなモデルに見えるが、もちろんそのリヤミッドには伝統のV型12気筒エンジンが搭載され、多くのライバルとそのパフォーマンスを競い合ったことは記憶に新しい。
アウディがモデル末期のディアブロの商品性向上を図った理由
1990年代をフルに生き、最終的には2001年まで生産が継続されたディアブロ。その過程でさまざまなモデルが誕生したが、その中でも大きな転機となったのは、ランボルギーニの親会社が現在のアウディに変わったことを直接の理由に、2000年に誕生することになった「VT6.0」ではないだろうか。
その前年には新たに固定式のヘッドランプを採用したMY99シリーズのほかに、限定生産を前提とした「GT」、モータースポーツ仕様である「GTR」など、積極的にディアブロの商品性向上にアウディは取り組んだ。
彼らがさらにVT6.0を登場させた背景には、ディアブロの後継車を開発する時間的な余裕を稼ぐという事情があったことは想像に難くないところである。
VT6.0のボディデザインは、基本的には1999年に登場したMY99のシルエットを受け継いだものだが、後に後継車のムルシエラゴやV型10気筒モデルのガヤルドをデザインするルク・ドンカーヴォルケは、より優秀なエアロダイナミクスを意識して、さらにスムーズなフィニッシュに徹している。
フロントのバンパースポイラーは、左右にエアインテークを持つタイプ。GTで見られたアウトレットが継承されなかったのは、GTとはオイルクーラーの配置が異なることを意味している。
フロントフェンダーはMY99よりも明らかにワイドなデザインになっており、これはフロントのトレッドがMY99のそれと比較して90mm大きな数字であることを物語っている。ちなみにリヤトレッドは同様の比較で30mmワイドな設定となった。