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「シャコタン」は何センチが正解? ダウン量だけでない正しいローダウンの最適解とは

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TEXT: 加茂 新(KAMO Arata)  PHOTO: 木村博道/雪岡直樹/Auto Messe Web編集部

車高の下げ過ぎは乗り心地の悪化以外のデメリットもある

 そもそも過度なローダウンはサスペンションのストローク量が極端に制限されることになるので、バネレートもかなり硬めのものを使うことになる。スタイル重視で大きく車高を落としたいなら、サスペンションのバネレートも標準よりも高くしないと、ストロークし過ぎてタイヤとフェンダーが干渉したり、サスペンションが底付きしてしまったりする。車高調のバンプラバー

 底付きしたときにはバンプラバーというウレタン製の緩衝材にサスペンションが当たって、これ以上ストロークしないようになっているのだが、バンプラバーにガンガン当たるようでは乗り心地が極端に悪化するだけじゃなく、操縦安定性も悪化するのでタイヤが滑りやすく危険な状態になる。意図的に当てるよう設計してある車高調には、柔らかく長いバンプラバーが装着されているが、意図しないバンプラバーとの底付きとはまったく別物なので注意が必要だ。

ローダウンしたらアライメント調整が必要不可欠

 ローダウンする場合、厳密にはアライメントの変化もしっかり把握するべきだ。アライメントはサスペンションが沈み込むときに意図的に変化するようにセッティングされている。スピンしにくいようにトーインやトーアウトとなるように設計されており、ノーマル車高から沈むときの変化を前提に設計されているのだ。車高ダウンしたところから、さらに沈み込むと突然アライメントが大きく変化してしまう車種もある。そういった場合は、その領域までストロークしない車高にするとか、バネレートやバンプラバーでそこまで沈まないようにするなどの対策を取らないと、危険なクルマになってしまう。4輪アライメントテスターを使ったアライメント調整

「自分は飛ばさないから大丈夫」とアライメントを軽視する人もいるが、ありえない話だが最高速度が30km/h程度ならまだしも、普通に法定速度で走るなら危険はともなう。とくに雨の日は法定速度で走っていても、意図しないアライメント変化が起きたら盛大なスピンやアンダーステアを招いて、事故を起こす可能性も十分にある。そこでしっかりアライメント調整することが大切なのだ。

* * *

 車高を落とすにはそういったリスクを回避するための調整が必要になるので、ぜひプロのアドバイスのもとローダウンを実践してもらいたい。

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  • 4輪アライメントテスターを使ったアライメント調整
  • R35GT-Rのローダウンスタイル
  • タイヤとフェンダーのツライチセッティング
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  • 加茂 新(KAMO Arata)
  • チューニングライター。1983年生まれ。父が初代VWゴルフ、シトロエンBX、ZXなどを乗り継いでいた影響で16歳で中型バイク(ZRX400)を購入し、大阪芸大時代にAE86を購入。卒業後はチューニング&ドラテク専門誌を15年間製作し(約2年の編集長を含む)、数多くのレースにも参戦。2021年春よりフリーランスとなる。過去には180SX、S15、NA8、SCP10、86前期&後期を所有。現愛車はAE86、GR86、ZC33Sスイフトスポーツ、CBR954RR。
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