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「小川張り」ってなに? テントとタープにひと工夫して快適なキャンプサイトにする方法をお教えします

小川張りの例

小川張りの例

テントとタープをジョイントさせて使い勝手アップ

 爆発的なキャンプブームの影響もあり、キャンプ場では色とりどりのテントが並び大盛況を呈しています。キャンプを楽しむ人が増えたことは喜ばしいことであり、キャンプが趣味として認知されたということかもしれません。ひと昔前まではキャンプ場で経験を積みながら、先輩キャンパーを参考に試行錯誤したものですが、最近は雑誌やYouTubeでキャンプに関する情報が取り上げられ、キャンプのノウハウがより身近なものになっています。そこで、今回のコラムでは、色々なメディアで取り上げられている人気の「小川張り」について語ってみたいと思います。

テントから濡れずにタープ下へアクセスできる

 この「小川張り」とは老舗の国産テントメーカーであった「小川テント」に敬意を称したもので、簡単に説明するとテントとタープを連結させたスタイルの呼称として広まっていきました。一般的にはテントとタープは距離を取り、広々としたスペースで使うのが一般的ですが、この「小川張り」はテントとタープを一体化させることで大きなメリットを生み出すのです。

 なんと言っても最大のメリットは「雨に強い」ということ。テントとタープをジョイントすることで、テントから雨に濡れることなく前室が使えるのは本当に便利です。簡単に言えば「ルーフバルコニー付きの部屋」的なイメージをしてもらえれば分かりやすいかもしれません。

 この小川張りは、基本的にヘキサタープをベースにコンパクトなテントを融合させるのが基本。タープは前方を高く、後方を低くしてテントと密着させます。設営方法としてはタープの後方部分のポールに延長ベルト(1000~2000円程度)や長めのガイロープを使用し、テントの上部をまたぐように張ること。そして、タープの後方にオフセットするようにテントを設営すれば完成です。

 最近では小川張りの進化版とも言える、前室を備えた2ルームテントも市販されていますが、重量があり高価なのがネック。2ルームテントの重量は15~20㎏、価格的には5万円台から20万円台となっています。その点、小川張りはタープとテントがセパレートなので持ち運びも簡単。いま使っているタープとテントにひと工夫を加えるだけでサイトが構成できるのはお財布にも優しい大きな魅力です。

雨にも負けず、風にはちょっと弱いのでしっかり設営を

 ただし、小川張りにはデメリットもあり、タープとテントを密着させるために風の影響を受けやすいのです。タープの後方に密着させたテントにより、風が抜けにくくなりタープが煽られる可能性があるので、風の強い場所では注意が必要です。設営する場合にはガイロープをしっかりと張り、抜けにくい丈夫で長めのペグを使いましょう。

 小川張りを美しく見せるためにはタープは大きめのものを使い、テントに密着させる左右のガイロープは短めにすること。テントの左右から出入りすることができなくなりますが、左右からの視線をカットできプライバシーの保護にもなります。

 前方が高くボリューム感があり、後方に向かって低くなって行く姿こそが小川張りの真骨頂。立体感のある美しいスタイルは注目を集め、ちょっぴり「キャンプが上手い人」として一目を置かれることでしょう。次のキャンプはタープとテントのレイアウトを工夫して、小川張りに挑戦してみませんか。テントの中からテープ越しに臨む景色は、いつもとは違う新鮮なものになるはずです。

類似のテク「カンガルースタイル」は冬キャン向け

 最後に小川張りと近いものに「カンガルースタイル」というものもあります。基本的な考え方は共通なのですが、小川張りに比べて大型のタープまたは大型シェルターの中にコンパクトなテントを設営するものです。大きな屋根の下にテントを張ると言えば分かりやすいでしょう。この名前はお母さんカンガルーのお腹の袋に包まれているようなイメージで命名されたと言われています。カンガルースタイルのメリットはテントが二重構造になることで暖気が逃げにくく寒さに強いこと。寒冷地でのキャンプに最適なスタイルとしても知られています。

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