シームレスな装着が可能な水圧転写
では、本物のフォージドカーボンではなく、フォージドカーボン柄でそれらしい雰囲気を手に入れるにはどうしたらいいだろうか。そこで注目したいのが水圧転写だ。
水圧転写は塗装方法の一種で、エアロパーツなどを一度ペイントしたあと、水を張った水槽にフォージドカーボン柄の極薄の転写シートを水面に浮かべ、対象パーツを転写柄から水中へくぐらせることでフォージドカーボン柄を密着させる。それだけにパーツとフォージドカーボン柄の一体感は格別である。
曲面でも違和感なく柄が描かれるので、パーツを車両に組み込んでしまえば、継ぎ目のないフォージドカーボンフォルムが完成する。ただし素人では転写作業は難しく、腕利きのショップにお願いするのが一般的だ。
実現できるパーツの大きさには限界があるが、転写シートの大きさに加えて水槽に入る範囲内のパーツであれば転写させることは可能だ。基本はペイントなので、表面仕上げはクリア塗装を使用する。グロスでもマットでも自由自在だ。
手軽に貼ってアクセントとなるラッピングフィルム
最後に紹介するのがラッピングだ。もちろん、こちらも本物ではなくフォージドカーボンの雰囲気を忠実に再現するものである。ラッピングフィルムにて、リップやディフューザーにワンポイントで施工することで、単色でエアロを塗装するよりもアクセントとしての幅が広がる。
車種や場所を選ばず手軽にトライできるため、取り入れやすいのも特徴。貼り込みにはもちろん経験や技術は必要だが、フィルムさえ手に入れることができれば、自宅で施工することも可能だ。
ディフューザーなどのワンポイントに、さり気なくあしらうのが大人の嗜みと言えるのではないだろうか。
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いま、カスタム業界でも注目を集めつつある素材、フォージドカーボン。本物のパーツは無理でも、手軽に雰囲気を楽しめる水圧転写やラッピングなどでチャレンジしてみてはいかがだろうか。