クルマのボディを永く美しくキープするためには
クルマの塗膜というのは強固なものに見えるが、簡単に言ってしまうと樹脂。つまりデリケートなものなのだ。キズが付きやすかったりするのはそういう理由で、昨今問題になっている紫外線の影響も受けやすい。クルマは太陽光に対してさらされた状態なのでなおさらで、紫外線による劣化は確実に進むと思っていい。劣化すると色あせ、そしてヒビが入ったような状態になってしまい、ひどければ全塗装しないと元に戻らないこともあるので注意が必要だ。今回はクルマの紫外線対策について紹介しよう。
コーティング
塗装を守るというとまず思い浮かぶのがコーティングだろう。表面にもうひと膜作ってガッチリと保護してくれるのだが、注意したいのは紫外線カット機能は必ずしもすべてのコーティング剤にあるとは限らないという点。パッケージをよく確認してから購入するようにしたい。
ボディカバー
普段は太陽光を確実にカットできる屋内駐車場で保管するのがベストだ。カーポートのような屋根だけ付いている車庫の場合、ないよりは格段にはいいものの、横から日光が差し込んだりするので完璧ではない。ただ、誰もがシャッター付きの屋内駐車場に保管できるわけでないのも事実で、屋外保管ではボディカバーがオススメ。
長年ボディカバーを使用していると、カバー表面がガサガサになって、色褪せしてくるのが分かる。これも紫外線による劣化なのだが、もしボディカバーをかけていなかったら、すべての紫外線をクルマの塗装が受け止めていたと思えてゾッとする。劣化という意味ではボディカバーも消耗品のひとつと言っていい。
停める向きに気を使う
クルマは外で使うものだけに、日焼け対策はなかなかなく、ダイレクトなものとしては前述のふたつが主となる。少しでもダメージを軽減するという点では、出先などで駐車する際に向きや場所について気を使いたい。場所を選べるなら、太陽の向きを見たり、日陰を探してみたりする。太陽光が当たってしまうにしても、フロントは劣化が目立つので、リヤが当たるようにするなど工夫してみる。
樹脂部分もコーティング
ワイパーの付け根部分など、黒い樹脂部分は紫外線の影響を受けやすくて次第に白く劣化してくる。そうなると非常にみっともない。最近では樹脂部分専用のコーティングがあるので、これを利用すると保護してくれて黒さをキープでき、劣化した部分に塗れば黒を復活させることも可能だ。黒い部分が黒々としているとクルマ全体も締まって見えるので重視したい。
ボディカラー
紫外線対策だけで選ぶということはないだろうが、影響を受けやすい色、受けにくい色があるのは事実だ。頭の片隅にでも入れておいてクルマ選びの際に参考にしてみてほしい。影響を受けやすいのは黒や赤。逆に受けにくいのは白やシルバーなどとなる。とくに赤は見た目的にも劣化が目立つ色ではある。
番外:車内対策
クルマというのは簡単に言ってしまうと、ガラス張りなので紫外線は車内にもドンドンと降り注ぐ。旧車ではインパネ上部が割れてしまうほどだが、現代のクルマにももちろん影響はあって、色あせやカサつきなどが発生する。防止するにはUVカットガラスを採用しているクルマを選ぶといいし、サンシェードの利用やウインドウフィルムの施工などがある。
愛車の日焼け対策としていくつか紹介したが、そのほとんどがクルマに乗っていない保管の際の注意点であった。しかし、当然のことながら炎天下にドライブすれば、紫外線による影響を受けることになるのは当然。そこで、夏の終りに内外装のメンテナンスを十分に施すことをおすすめする。