トヨタが誇る究極のワンボックスと至高のミニバン
アウトドアやキャンプに出かけるクルマとしてSUVとともに人気なのが、乗用ミニバンやトヨタ・ハイエースのようなワンボックスだ。より大空間な室内スペースを備え、シートアレンジによって車内をお座敷化、ベッド化しやすく、室内高の余裕を生かし、大きくシートアレンジをしないまでも、車内で寛ぎやすいのがその理由である。
では、今、ファミリーからVIPにまで大人気の超豪華ミニバンのトヨタ・アルファードと、キャンピングカーのベース車としても絶大な人気を誇る商用バンのハイエースを比べたとき、どちらがアウトドア、キャンプに行くのに適しているかを検証したい(ハイエースはノーマル車両基準)。
一家に1台で全てをこなすならアルファード
ここで両車の室内寸法を比較してみると、アルファードは室内長3210mm×室内幅1590mm×室内高1400mm。対するハイエースはグレード、仕様にもよるが、室内長3525~3715mm×室内幅1695~1730mm×室内高1390~1695mmとなる。スペース的には、ハイエースがリードしていることは間違いなさそうだ。
ところで、アウトドアやキャンプの適合性について説明する前に、まずひとつ考えなくてはならないのは、両車をアウトドア&キャンプ専用車(セカンドカー)として使うのか否かだ。普段使いと共用するのであれば、当然、装備、快適性、車内の静粛性、動力性能、乗り心地、先進運転支援機能の充実度などで、国産ハイエンドミニバンたるアルファードが勝ることは間違いない。
そしてアウトドア、キャンプフィールドまでの距離が遠ければ遠いほど、全席ともより快適に移動できるため、疲れない。ハイエンドミニバン、乗用ミニバンならではのメリットはその点では絶大だ。なにしろVIPがクラウンやレクサスLSを退けて選んでいるほどのミニバンなのだから。
ただし、アウトドア&キャンプフィールドにアルファードが似合うかは微妙で、グレードによってはアウトドア&キャンプに不向きな、豪華すぎてシートアレンジ性に物足りない2列目キャプテンシートもあるから要注意。車内をお座敷化、ダブルベッド化するのであれば、上級グレードのエグゼクティブラウンジシート、エグゼクティブパワーシート仕様は避けたほうが良い。お座敷化、ダブルベッド化しやすいベンチシート、中寄せしてセミベンチシートアレンジも可能なリラックスキャプテンシート仕様を選ぶべきである。
セカンドカーと割り切ればハイエースをイジり倒せる
一方、ハイエースのメリットとしては、2列シート仕様も選べ、車内後部にとんでもなく広いラゲッジスペースが確保できる。フロントフラット、1/2列目席のオールフラットアレンジも可能で、車中泊スペースの背後に広大な荷物の置き場を作り出すことができるのだ。しかも、プロに頼むだけでなく、DIYでも簡易キャンピングカー仕様にアレンジしやすいのもハイエースならでは。誰もが簡単にセットできる車中泊用を含め、そのアイテムは市場にあふれている。新車だと車内をイジるのに抵抗がある人でも、中古車なら気兼ねなく(?)イジり倒すこともできるだろう。
* * *
というわけで、よりキャンプ、アウトドアフィールドに似合い、人と荷物の乗車&積載フォーメーションの自由度、そもそもの荷物の積載力ではハイエースが優勢。ただ、一家に1台のクルマとして、たまにアウトドア、キャンプにも使う……というなら、アルファードの選択も、贅沢すぎるアウトドア&キャンプ用のクルマとして悪くない。
ちなみにハイエースをキャンピングカー仕様に改造する(予定がある)のであれば、なおさら、もう1台、手ごろな普段使い用の乗用車を所有するとメリハリのついたカーライフが送れるに違いない。