【NISMO 400R】ニスモが本気が作った最強コンプリートカー
レースで勝つために生まれてきたGT-Rのなかで、とびきり高性能で、レーシングカーに近い性格だったのが、日産のモータースポーツ活動を統括している『NISMO(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)』(現・日産モータースポーツ&カスタマイズ)が開発したNISMO 400Rだ。BCNR33がベールを脱いだ、1995年1月開催の東京オートサロンのNISMOブースにおいて、400Rのプロトタイプが衝撃的なデビューを飾っている。
エクステリアは、エアロパーツを纏っているものの思いのほか控えめだった。まさに「羊の皮を被った狼」で、高性能を包み隠している。フロントバンパーには冷却性能を高めるために多くのダクトがあり、中央部に設けた開口は一際大きい。容量をアップしたラジエターなど、圧巻の面構えだ。
NISMO 400Rは翌1996年に販売に移された。注目のパワーユニットは、排気量を2,771ccに拡大したRB‒X GT2型・直列6気筒DOHCツインターボだ。クランクシャフトやピストン、コンロッドだけでなく燃焼室も変えている。ネーミングからわかるように、最高出力は400ps/6,800rpmを達成。最大トルクは44.8kg‒m/4,400rpmを絞り出す。
サスペンションも専用で、ショックアブソーバはエナペタル製のビルシュタインだ。足元は275/35R18サイズのBSポテンザRE710Kaiに、10Jの鍛造3ピースホイールLM GT1を組み合わせている。99台受注の限定車で、1,200万円という販売価格が話題となった。
【NISMO 400R DATA】
●発売 1997年4月1日
●当時の車両本体価格 1200万円主な特徴
●RB26DETTをベースに2.8L化したRB-X GT2エンジン搭載
●最大出力 400ps/6,800rpm
●最大トルク 47.8kgm/4,400rpm
●冷却系の強化
●専用デザインのエクステリア/インテリア
●オーバーフェンダーの装着で全幅が50mmワイド化
●鍛造3ピースホイール「NISMO LM GT-1(10J×18)」の装備
●HIDヘッドライト採用
●カーボンプロペラシャフト採用
●各部ボディ補強
●ビルシュタイン製ショックアブソーバ(ENP製)を新開発
●フロントシートは「タイプRリクライニングシート」に変更
【Autech Version 40th Anniversary】国内最高性能の4ドアスポーツセダン
ご存知のように最初のスカイラインGT-R(PGC10)は、4ドアのセダンボディに高性能エンジンを積んでデビューした。スカイライン生誕40周年の節目となる1997年、日産はファンのために粋な計らいを見せている。10月に開催された「第32回東京モーターショー」に、セダンボディをまとったGT-Rが姿を現したのだ。
そして12月8日、日産系の特装車メーカーで、櫻井眞一郎氏が初代社長を務めたオーテックジャパンから4ドアのGT-Rが発表された。正式名称は「GT-Rオーテックバージョン40thアニバーサリー」。販売価格は498.5万円で1998年の1月16日に市販を開始している。
大人のための国内最高性能4ドアスポーツセダンとして開発され、伝説のGT-Bのように羊の皮を被った狼だった。フロントマスクはGT-Rより大人しく、リヤスポイラーも装着していない。だが、前後のブリスターフェンダーやリヤドアを専用設計とし、245/45R17のファットなBSポテンザRE010を履いている。
インテリアではGT-R用のバケットシートが目を引く。パワーユニットやサスペンション、4WDシステムなどのメカニズムはGT-Rと共通だ。4ドアのGT-Rは意外性があって楽しい。現代の名工であり、日産のテストドライバーを務めた加藤博義氏も愛車にしている。
【Autech Version 40th Anniversary DATA】
●発売 1998年1月16日
●当時の車両本体価格 498.5万円主な特徴
●4ドア・定員4名
●専用フロントバンパー&フロントスポイラー
●リヤスポイラーレス
●リヤフォグランプレス
●UVカット断熱グリーンガラス(全面)
●専用サイドシルプロテクター
●専用リヤアンダープロテクター
●専用シート形状&シート地
●専用ドアトリム
●KENWOODサウンドクルージングシステム
●車速検知式オート集中ドアロック
●リモートコントロールエントリーシステム
●寒冷地仕様