海神がついにサーキットスペシャルに進出
マセラティは「MC20」をベースとしたサーキット専用スーパースポーツの新しいプロジェクト「プロジェクト24」を発表した。62台のみが生産されるという、新たなサーキットモデルについて、現状わかっている情報をお届けしよう。
62台限定のエクストリームなサーキット専用スーパースポーツ
マセラティは2022年7月22日、サーキット専用スーパースポーツの新しいプロジェクト「プロジェクト24」を発表した。
このプロジェクトはミッドシップスポーツのMC20をベースに、さらに高度な技術と装備を用いたエクストリームなサーキット専用マシンの開発だ。62台のみが生産されるという。
搭載されるのは、MC20にも積まれる最新の自社開発エンジンであるV6ネットゥーノに、新しいターボチャージャーを追加した3L V6ツインターボとなる。最高出力は740psまで向上させられている。
また、サーキット走行に最適化されたエアロダイナミクスや高いダウンフォースを有し、サスペンションやカーボンセラミックブレーキシステムなども専用設計される。レース用タイヤ、FIA公認の安全装備(FT3燃料タンク、ロールゲージ、消火器)も備える。
マセラティのデザインセンターであるマセラティ・チェントロ・スティーレがスタイリングを担当。「レーシングカー特有の制約(レギュレーションなど)を排除し、限界に挑戦」したという、美しさとスポーティさが融合したスタイリングに仕立てられている。
インテリアも2シーターながら、助手席はオプション扱いと本格仕様。運転席にはレーシングシートと、6点式シートベルトが備わる。なお、カーボン製マルチ・ファンクション・ステアリングはディスプレイ一体型とのことだ。
パワーウェイトレシオ約1.69kg/psを目標に開発
軽量化を重視するマセラティの方針に則り、その車体は1250kg未満を目標に開発される。そのため、カーボン製のまったく新しいボディを開発し、フロントとサイドウインドウはレキサン製となる。
「プロジェクト24」はエクスクルーシブの象徴として、限られたオーナーのためにサーキット体験や最高レベルのサポートなど様々なサービスを提供するとのこと。価格など詳細は今後発表される予定だ。
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フェラーリやランボルギーニといったラグジュアリースポーツブランドがすでに行っている少数生産のサーキット専用モデルの開発に、ついに往年のグランプリメーカー、マセラティが再び名乗りをあげた。果たして最も歴史あるイタリアの至宝は、どのような新たな世界を見せてくれるのか、今から楽しみである。