チューニング派が陥りがちな家庭不和を防ぐために
クルマの乗り心地は、なかなか数字では表せないものだ。毎日乗って慣れ親しんでいるドライバー本人は「乗り心地が良い」と思っていても、一緒に乗る家族は「なんじゃこりゃー」な状態というのもよくある話。では、どのように乗り心地を判定すればいいものだろうか。
定義の難しい「乗り心地」だが、まずは同乗者の快適性
乗り心地が悪いと、路面の段差がダイレクトに車内に伝わる。乗り心地が良いとそれが伝わりにくい。ただ、そのように路面の情報がまったく伝わらないことが、「乗り心地が良い」という単純な話でもなかったりする。
日本のタクシー的なフワフワしている乗り味のほかにも、さまざまな「乗り心地の良さ」がある。メルセデスベンツやBMWなどのドイツ系は割としっかりとショックを伝えてくる。しかし、その入力が「ドカン」という急激な強いものではなく、「ドスッ」とややショックは伝わるけども不快ではない振動になっている。
シトロエンやプジョーなどのフランス系も、最新モデルだとドイツ車っぽくなってきたが、2000年代くらいまではまさに「猫足」。かなりソフトめにショックを吸収しつつ、長いストロークのサスで減衰力がたっぷりと効いていて、フワフワではなくジワーッと沈むような感じだった。
走行中おにぎりが崩れるようなら末期症状
では、自分のクルマは今どのような状態なのだろうか。自分で判定する方法は難しいが、下記に当てはまるようであれば十分に乗り心地が悪くなっている可能性がある。
1.まず、車内に置いている缶飲料がこぼれるようなら乗り心地は結構ハード。もちろん開けたばかりなら仕方ないが、そこそこ飲んでも中身が出てくるようだとちょっと危険。
2.同乗者が走行中に飲料を飲まず、信号で止まった間に飲むようになっていたら、それはかなり劣悪な乗り心地の可能性が高い。
3.ちょっと荒れた道路を走るときに、運転者の目線が上下にブレるようなら、相当乗り心地が悪い部類。相当ヤバい領域まで来てしまっている。
4.最凶レベルになると、街中で走行中に食べていたコンビニのおにぎりが、頬張った瞬間に揺れて崩れてしまったとか、乗るたびに食欲がなくなるほど胃が揺すられるなど……ここまで来ればもう限界突破レベルであろう。
乗り心地がそこまで悪くなってしまっていたら、ぜひ家族のためにも改善策を施したい。