減衰力の見直しをするときはリヤから
最初にタイヤの空気圧を確認しよう。10%程度落とすだけでも乗り心地は若干改善される。減衰力調整は基本的には緩める方向だ。
しかし、気をつけたいのは減衰力を締める=乗り心地悪化とも限らないこと。減衰力を抜きすぎて上下にフワフワした挙動が収まらないことで乗り心地が悪く感じたり、酔いやすくなったりもする。既成概念にとらわれず、まずはリヤを3段階ずつくらいの幅で締めたり、緩めたりして、どちらの方向にすると改善されるかを確認してみること。
フロントは乗り心地にはそれほど関わらないので、まずはリヤから。リヤのセッティングが決まったらフロントも合わせ込んでみるといいだろう。
車高調の状態をプロに診てもらおう
そもそも、ドレスアップ目的で極端に車高を下げており、ストロークするとタイヤが干渉するためバネレートを極端に上げている、というなら仕方ない。その範囲内で調整するしかない。だが、そうではなく普通に車高調を入れていてすごく乗り心地が悪いとか、大きな段差になると車内でジャンプしてしまうようなら、車高調の取り付けと調整が間違っている可能性が高い。
なぜかプリロードがスプリングに強く掛かっていて、ほとんど街中でストロークしなくなっていたり、など。バンプラバーが長すぎるものが入っていて、つねに底付き状態とか、そんな「なんでこうなっちゃうの」状態の車両が、じつは非常に多く見受けられる。もし中古車を購入とか、中古サスを付けただけとか、車高調をつけてから劣悪な乗り心地だ、とかであればプロに診てもらうほうがいい。
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全国のタイヤショップや量販店、チューニングショップには数多くのプロスタッフがいて、そんな「トンデモ車高調」を日々改善してくれている。それでもまだ、謎の悪の組織は劣悪な乗り心地のクルマを本来とは異なるセッティングで生み出している模様である。われわれチューニングフリークは、そんな巨大な悪と今日も戦っているのである。