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トヨタ「GRヤリス」に負けない「ヴィッツRS TRDターボ」とは? ドッカンターボ的な味付けは「韋駄天スターレット」譲りでした

TRDが手掛けたホットモデル

 ヴィッツといえばスターレットの後を受けて登場した、トヨタのコンパクトカーのエントリーモデル。初代モデルからワンメイクレースが開催されていたことからも分かるように、スターレットが持つホットハッチとしてのキャラクターも受け継いだものとなっていた。

ヴィッツRSをベースにTRDがチューニング

 そんな初代ヴィッツのホットモデルであるRSをベースとし、TRDが手を加えたモデルこそがヴィッツRS TRDターボである。

 もともとNAエンジンのみのラインアップとなっていた初代ヴィッツであるが、その1.5Lエンジンにスターレット譲りのターボキットをドッキングさせたのがこのモデルだ。ノーマルが109ps/141N・mという出力のところ、ターボ化によって150ps/196N・mという大幅なパワーアップを実現していたのである(ターボ化の数値はTRDによるベンチテスト値)。

 ターボ化によってハイオク仕様にはなっているものの、エンジン本体には手を加えないボルトオンターボのためエンジン自体の気難しさもなく、まるで純正のまま排気量アップしたかのような扱いやすさとなっている。

 その一方で本格的にブースト圧が上昇する4000回転以降ではノーマルとは比べ物にならないトルクを発生する。2速にシフトアップしてもなおホイールスピンが継続するようなじゃじゃ馬ぶりを見せてくれた。

 現代におけるダウンサイジングターボとは異なるドッカンターボ的な味付けは、まさにスターレットターボを彷彿とさせるもの。それもそのはず、このターボ化に使用されたタービンやインタークーラーはスターレットターボに使用されていたものがベースとなっていたのだ。

オプションでローダウンも可能なサスペンションが用意されていた

 このターボモデルにはそのままでもノーマルよりも締め上げられたサスペンションがおごられていたが、オプションとしてさらにスポーティかつローダウンも可能なサスペンションが用意されていた。ほかにも、フロントLSDやフルバケットシート、大径ホイール&幅広タイヤなど多くのアイテムが用意されていたことも特徴だった。

 当時のワンメイクレースではもっともローパワーな1Lモデルがベースとなっていた一方で、ワンメイクレースには参戦できないものの、よりホットなものを求めるユーザーに向けてターボモデルも用意されていた初代ヴィッツは、現在販売されているヤリスに引けを取らない幅広さを持つモデルだったと言えるだろう。

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