エコカーやミニバンでも気軽にローダウンしたいユーザーが多い
近年のクルマは、エコカーやミニバンであってもエアロ仕様がラインアップされてスポーティなルックスが与えられている。しかし、そこで気になってくるのがズバリ「車高」である。どんなにスタイリングが決まっていても、タイヤ&ホイールとフェンダーの隙間が大きいとガッカリ……といった悲しき状態になってしまう。
愛車を格好良く見せたい、そして運動性能も高めたい。そのようなクルマ好きの悩みを解決してくれるのが、車高調整式サスペンションである。今回オススメしたいのが、チューニングパーツメーカー「BLITZ」(以下、ブリッツ)の人気モデル「ダンパーZZ-R(ダブルゼットアール)」だ。
32段階の減衰力調整が可能な本格派
車高調と聞くと、スポーツカーのためのパーツと思うかもしれないが、そうではない。最近ではミニバンに乗るファミリーからも支持されるパーツとして、人気が高まっているという。そこで、今回は定番であるスポーツカー代表としてトヨタGR86、そしてミニバン代表としてトヨタ・ヴォクシーのデモカーに試乗する機会に恵まれた。なお、ノア&ヴォクシー用は2022年7月29日に発売が開始されたばかりのニューモデルだ。
試乗記の前に、ZZ-Rについて解説しておこう。どのモデルも共通して単筒式(モノチューブ)構造を採用し、全長調整式となる。乗り心地をアレンジできる減衰力調整は32段階で変更が可能となっており、きめ細やかなセッティングでユーザーの理想的な仕様を導き出せる。本格的なスペックを持ちながらも、20万円前後という魅力的な価格が設定されている点も見逃せないだろう。また、車内から減衰力調整を行えるDSC PLUSも用意されている。
市街地でもわかるワンランク上の運動性能
まずはGR86から試乗。デモカーはアイサイトが搭載されるAT車だ。ノーマルのままでも十分にスポーティではあるが、ZZ-Rを装着したことでフロント23mm、リヤ28mmのローダウン仕様。ホイールが社外品に交換されているが、その効果も相まってワイド&ロー感が高まっている。走りの良さを予感させるルックスだ。
価格を抑えた車高調といえば、性能もそれなり……と思いがちである。しかし、その法則はブリッツのZZ-Rには当てはまらない。敷地内から公道へ出るためのわずかな段差でも、ガタピシ感のない段差の乗り越えを味わうことができた。
今回はあえて市街地のみで試乗した。フラットではない路面だからこそ、車高調の真価を味わえるというもの。その点、ブリッツのZZ-Rは低速域であっても、なめらかな乗り心地で快適なドライブを楽しめる。GR86とBRZ用は、先代の初代86&BRZの開発で得たノウハウを応用し、現行型に合わせこんだという。車高調といえばハードな印象を抱くかもしれないが、その心配も無用。低速域ではゴツゴツ感のないスムースな走りを披露してくれた。