お金が必要な今こそ軽自動車を選ぶのもアリ
現代人は様々なところでお金がかかる。衣・食・住はもちろん、毎月のスマホ代、ネット接続代など、数えればキリがない。そこで、毎日の足、行楽、ドライブ、アウトドアで活躍してくれるクルマも、いっそ、ダウンサイジングで軽自動車でもいいのでは、と考える人も少なくないはずだ。軽自動車なら新車でも100万円台で収めることが可能であり、維持費も安い。気軽にスイスイ運転できるサイズも見逃せないポイントだ。
ミニバン的に使えるスーパーハイト軽が人気
そんな軽自動車の中では、一家に一台のファーストカーになりうる、ミニミニバンと呼べそうなスーパーハイト系軽が圧倒人気を誇っていて、軽自動車の販売台数のベスト3を独占することだってあるほどだ。両側スライドドアからの乗降性の良さ、広大な後席居住空間、シートアレンジによる自在な使い勝手、リヤサーキュレーターまである装備の充実度など、なるほど、大人気なのもうなずける。
一方、商用車として企画され、大きな荷物の積載からアウトドア、車中泊にも打ってつけなホンダ「N-VAN」やダイハツ最新の「アトレー」といった軽商用車もラインアップされている。自家用車に軽自動車でいろいろ大丈夫だろうかと感じる人がいるのも無理はないが、じつは最新の軽商用車は、一般ユーザーの使い勝手にもこだわった仕様もあり、また、軽キャンパーのベース車としても重宝される隠れ人気車種となっていたりするのだ。
ここでは、乗用車としてのスーパーハイト系軽自動車と、商用軽のそれぞれのメリット、デメリットを、あくまで一般ユーザー視点で紹介したい。
乗用タイプはシートの座り心地など快適性は抜群にいい
まず、ホンダ「N-BOX」に代表されるスーパーハイト系軽自動車は、今では広大な室内空間、乗り降りのしやすさ、シートアレンジによる荷物の積載性、先進運転支援機能から乗り心地、操縦安定性に至るまで、驚くべきレベルアップを果たしている。日産「ルークス」にもなると、SOSコールまで用意されているほどだ。
最大のメリットとしては、ターボ車を選べば不満なく一家に一台のクルマとして使え、最大4人乗車ではあるものの、家族や仲間とのドライブ、高速走行、山道走行を大きな不満なくこなしてくれる実力があることだ。とくに後席の居住性、シートのかけ心地では、あくまで1名もしくは2名乗車を想定した軽商用車とは別格と言っていい。さらにロングドライブでも前後席のシートのかけ心地や乗り心地、静粛性などによる乗員の疲れにくさでも、軽商用車をリードするのだ。
商用車は後席の快適性は厳しいがアクセサリーの豊富さなどは魅力
では、商用軽はどうかと言えば、さすが、荷物の積載力では乗用系軽自動車、スーパーハイト系軽自動車を上回って当然だ。N-VANを例に挙げれば、助手席、後席のフラットアレンジによって、荷室長最大2635mmもの完全フラットスペースが出現。長尺物の荷物はもちろん、車中泊にも打ってつけの天井も高いベッドスペース、お座敷にも変身させられるメリットは絶大。軽キャンピングカーのベース車として活用されまくっているのは、そうしたパッケージングの素晴らしさによるものと言っていい。
だが、デメリットとして、乗り心地や車内の静粛性で乗用系軽自動車にリードされ、「快適なロングドライブ」に適しているとは言いがたい。N-VAN、アトレーがそうであるように、後席でロングドライブ……というのは、後席があくまで格納・ラゲッジスペース拡大を前提とした仕立ての簡易シートゆえ、かなりつらいものがある。
しかし、1名乗車であればN-VANの場合、運転席のかけ心地についてはほぼ問題なしだ(後席とともに助手席も簡易シートとなるため)。ソロキャンプなどには最適と言えるかもしれない。一方、最新のアトレーともなれば、運転席、助手席ともに、乗用系軽自動車にほぼ劣らないシートのかけ心地が得られるため、2名乗車完結なら、上記の商用軽のデメリットは大きく軽減する。ふたりでのアウトドア、キャンプ、車中泊にも打ってつけの軽自動車(軽商用車)の1台になりうると言っていい。
両車ともに、乗用系軽自動車以上に純正アクセサリーのアウトドア、車中泊用品が充実しているから、カスタマイズする楽しみもより大きいということになるかもしれない。
パワートレインはターボなら商用モデルでも問題なし
あとは走行性能だが、アトレーは全車が動力性能に余裕あるターボ! N-VANも1名乗車ならNAエンジンで不足はないし、+STYLE FUN・ターボを選べば、余裕の走りも味わえることになる。価格、維持費を含め、用途を限定すれば、軽商用車の選択も、なかなか今っぽくて面白いと思える。いや、クルマで遊び尽くすという点においては、カスタマイズのしやすさを含め、軽商用車でも十分可能であり楽しめるということだ。