2代目はわずか3年で販売が終了
そして本格的なスポーツモデルになったのは、1983年デビューの2代目ガゼール(S12)からとなる。初代はフロント:ストラット、リヤ:4リンクリジッドコイルだったのに対し、S12からはリヤがセミトレになって、四輪独立サスペンションに進化。エンジンもFJ20ターボが与えられ、2リッターのスペシャリティカーのなかではクラストップの動力性能を得た。
それに加え、新たにCA18Eターボも投入。バランス的にはこのCA18Eターボの方が相性がよく、素直で本格的なスポーツカーといえる走りが楽しめた。
スタイリングはクーペとハッチバックの2タイプで、ワイパー付フルリトラクタブル・ヘッドライトとなったのが大きな特徴。FJ20ターボを搭載する「RS」にはボンネットに大きなパワーバルジがついた(エンジンが収まらなかった……)。この「RS」のキャッチコピーは「群れよ、さらば」「ガゼール・ドリーミング」だった。
しかし3年後の1986年、シルビアがマイナーチェンジするタイミングでガゼールの販売は終了。およそ7年の短命に終わってしまった。
とはいえワークスチームではなかったが、セントラル20やZスポーツが、ガゼールのGr.5仕様を作って、シルエットフォーミュラ(スーパーシルエットシリーズ)に参戦。派手なオーバーフェンダーと大きなウイングで武装したガゼールのインパクトは強く、短命の割にガゼールの存在は人々の記憶に色濃く残っている。