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1万円以下でできる愛車の冷却対策!「ラジエターキャップ」を交換するだけでクーリングできる!?

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

  • ラジエターキャップ(純正)

  • ラジエターキャップ(純正)
  • 社外ラジエターキャップ

チューニングカーにも暑さ対策は重要

 人間だけじゃなくクルマにとっても夏は厳しい季節。とくにパワーアップしたチューニングカーやエンジンを高回転まで使うサーキット仕様は、本来のパフォーマンスを発揮できないばかりかエンジンを壊してしまう危険性もある。

まずはお手軽なラジエターキャップ交換から始めてみよう

 そこで大切なのが冷却系の強化。大容量ラジエターやローテンプサーモスタット、ダクト付きボンネットにレース用クーラントなど、さまざまなメニューがあるなかで、もっとも手軽なのは何といってもラジエターキャップ交換だろう。

 内部に圧力をかけてクーラントを沸騰しにくくするパーツで、純正の開弁圧はほとんどが0.9~1.1kgf/cm2に設定されている。この圧力が高いほどクーラントの沸点は上がるという理屈で、アフターパーツとして販売されているキャップは1.3kgf/cm2が多い。水温に余裕のある車種で連続してサーキットを周回する必要がなければ、ラジエターキャップの交換だけで十分な場合もある。

社外ラジエターキャップ

意外と複雑なラジエターキャップの構造とは

 ちなみに沸点を上げるのは「加圧弁」の役割で、ほかにも「負圧弁」と「密閉弁」が存在する。負圧弁はラジエター内部の圧力が一定まで下がったタイミング、すなわち水温が下がると開いてリザーバータンクからクーラントを戻し、冷却能力をあえて落とすことで、オーバークールと呼ばれる冷えすぎを防ぐ。

 密閉弁は文字どおりラジエターからクーラントが漏れないよう密閉する弁で、ここが劣化すると水漏れし、気付かないうちにオーバーヒートを招いてしまう。キャップの周囲に漏れて乾燥した跡があったり、裏側のゴムが切れていれば即交換と考えていいだろう。

 社外品のラジエターキャップといえど数千円とさほど高くなく、材質も純正の多くが樹脂なのに対し見た目も耐久性もいい金属なので、エンジンルームのドレスアップを兼ねて交換するというのも大いにアリだ。

高い効果が期待できるがトラブルの原因になることも

 ただし注意すべき点がなくもない。社外品のラジエターキャップに交換すると、ラジエター内部にかかる圧力が高くなるため、コアとタンクの繋ぎ目などからクーラントが漏れやすくなる。オールアルミの一体型であればまず問題ないはずだが、古い樹脂製のタンクを使っているクルマは気を付けよう。

 なおラジエターキャップはゴムだけじゃなく、弁も年数が経てば劣化し正常に作動しなくなる。いくら高性能な社外品といえども1年に1回くらいは自分の目で点検し、怪しいと感じたら早めに交換しトラブルの芽を摘んでおきたい。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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