悪路を走破するためにシャシーとシェルは一体化せず
レジャー用のキャンピングカーなら、もっと別の作り方があるだろう。だが、このクルマは悪路走行を想定した災害救助支援カーとしての役割を持つ。そのため、あえてシャシーとシェルを一体化せず、分割させることによって車両のねじれる範囲を大きく確保し、デパーチャーアングルも通常のキャンピングカーの2倍以上確保。前後左右が不揃いに隆起している険しい山道などの悪路においても、しっかり路面を追従できるように工夫している。
外観についても武骨でワイルドな作り込みが斬新だ。ルーフにはたくさんの荷物を便利に詰めるようにスチール製パイプラダーをセットし、リヤにはスペアタイヤも背負わせている。
また、車内については、外観のワイルドな雰囲気とは打って変わって快適設計となっている。エアコン、電子レンジ、冷蔵庫といった生活に役立つ装備が充実している。
ダイネットは、中央には机があり、コの字型のソファを用意。テーブルを外して、両サイドの背もたれを真ん中に配置すれば、大人が二人寝れるベッドとしても展開できる。また、ここにはボタンひとつで降りてくる電動の昇降式ベッドも隠されていたから面白い。
運転席と居住空間が切り離されているので狭く感じるかと持ったが、実際は想像以上に広い。そして、暖色系で統一した内装も心を穏やに過ごせる落ち着く場所として作られている。
* * *
レジャー発想とは違ったアプローチがカッコいいクロカンキャパー「エクスペディション・イーグル」。このクルマが持つ装備は、より自然派なアウトドアマンとの相性が抜群だ。あえて荷台を繋げないスタイル。こうした斬新な作りに、キャンピングカーの新たな可能性を感じるのは私だけであろうか。