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3億円近くに高騰!! エルヴィス・プレスリーが愛したBMW「507」に注目が集まる理由とは

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TEXT: 塩見 誠(SHIOMI Makoto)  PHOTO: 2022 Courtesy of RM Sotheby's

イタリア人に愛された「507」

 今回、モナコで開催されたRMサザビーズオークションに出品されたBMW507は、シャシーナンバー「70140」という個体であった。この車は1958年に生産され、1959年6月16日、イタリア人のルイジ・ベルトラメッティ教授が購入している。

 その6年後、ジャンナントニオ・パニゴーニ氏の手にわたり、1967年から1971年に掛けてはパニゴーニ氏の親友、フランコ・ジリアーニ氏が所有していたようだが、その間もオーナーはパニゴーニ氏のままだったようで、それを示すBMWとの間で交わされた書簡も残っている。その書簡によれば、グリジオ・アンスラジット・メタリックへの塗り替えは、1970年におこなわれたようだ。

 現在は、オリジナルの状態をよく保った状態。BMWクラシックがシャシーナンバーとエンジンナンバーのマッチングを確認しているほか、パテンドレッドレザーインテリアの状態もいい。さらに、ボンネットやトランク、フューエルキャップ、アルミ製ハードトップのシリアルナンバーも一致している。

 これまで、2005年9月に開催された、507誕生50周年のアニバーサリーツアーや、2016年にミュンヘンでおこなわれたBMW100周年フェスティバルなど、さまざまなイベントにも参加してきたこの個体、203万ユーロ(邦貨換算約2億8000万円)という高額での落札となった。

* * *

 たしかに、ヒストリーのしっかりした個体であるし、252台しか生産されなかったという希少価値もある。有名人も乗っていたモデルでもある。とはいえ20数年前ならば中古の一戸建てが買えるか、というくらいの価格だったように記憶している。

 ICEを搭載した、来歴の分かるクラシックカーは、これからもその価値が上がり続けていくことは間違いないようである。

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  • 塩見 誠(SHIOMI Makoto)
  • 塩見 誠(SHIOMI Makoto)
  • 1965年生まれ。学生時代からオートバイとクルマに熱中し、自動車雑誌編集ののちフリーランスライターに。これまでAE86トレノ、CC72Vアルトワークス、E38AギャランVR-4RS、1980年式シロッコ、CD9Aランサー・エボリューション、プジョー306スタイルなど、クルマを乗り継ぐ。オートバイはCB250RS、RZ250、ZZ-R1100、T-MAXなどつねに複数台所有。現在の愛車はフタ桁ナンバーのアルファ ロメオ156V6とサーキット遊び用のNCP91ヴィッツRS・TRDターボM、JA45クロスカブ。
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