台数や期間限定で販売されたR35GT-R特別仕様車たち
R35GT-Rは2007年に誕生してから毎年のように改良を繰り返す「モデルイヤー方式」を採用。この15年間で熟成を続けてきた。こうした標準モデルの進化もさることながら、実はそれぞれの節目で登場した限定車も多い。ここではそんな超レアな特別モデル12台を紹介していこう!
(初出:GT-R Magazine158号・加筆)
【Spec V】走り重視のスパルタン2シーター
MY09からMY11までカタログモデルとして設定されていた「Spec V」。走りに特化したスパルタンなモデルで、NCCBと名付けられたカーボンセラミックブレーキを標準採用する。リヤシートを廃した2シーターとし、専用ホイールやチタンマフラーなどで軽量化にも注力。車重は基準車よりも60kg軽かった。車両価格は1575万円(発売当時)。
【EGOIST】好みの内装に仕立てられる贅沢仕様
ラグジュアリー指向の特別グレードとして用意された「EGOIST」。最上級の本革をふんだんにあしらったインテリアはアッパー4色、ロア10色、合計20パターンの中から好みの組み合わを選択可能。ステアリングのGT-Rエンブレムには輪島蒔絵を採用するなど、日本が誇る匠の伝統の技を融合させた。車両価格は1500万300円(発売当時)。
【For TRACK PACK】Spec Vの後継パッケージオプション
生産終了となったSpec Vに代わり、MY12から追加された2シーター仕様の走りのモデル。Pure editionにオプション設定されたパッケージで、内外装はスペックVに準じていた。滑りにくい特殊な表皮を用いたシートやノルドリンクとの共同開発となるサスペンションなど、トラックパックのために専用のアイテムも新規で開発されている。
【Club Track edition】本格的サーキット専用モデル
プロドライバーによるスクールやR35ワンメイクレースへの参加希望者のために設定したサーキット走行専用モデル。余分な内装は軽量化のために廃され、ロールケージやフルバケットシートなどを標準装備する。サスペンションは専用のスリックタイヤに合わせたスペシャル品。開発車両を含め販売台数は14台という希少車だ。1047万9000円(発売当時)。
【Special Edition】特別カラーを纏う世界限定100台
2013年7月に限定発表された「スペシャルエディション」。MY13のPremium editionをベースに特別塗装色ミッドナイトオパールを採用。ハイパーチタンカラーコートのアルミホイールとR34ニュルを想起させる金のコーションプレートなどを特別装備した。同年4月にR35の統括責任者となった田村宏志氏の復帰後第一号がこのモデルである。1050万円(発売当時)。
【45th Anniversary】R34 M-spec特別色を纏う限定45台
GT-R生誕45周年を記念して2014年11月に発表された限定モデル。こちらもPremium editionがベースとなっており、外板色にはかつてR34GT-R M-specにも採用されていたシリカブレスをチョイスした。MY14で基準車はGT路線を色濃く打ち出したが、言うなればR34 M-specのコンセプトにも通じる。田村氏らしい演出の一台である。1078万7040円(発売当時)。
【大坂なおみ選手 日産アンバサダー就任記念モデル】ミッドナイトオパール復刻の限定50台
2018年9月にプロテニスプレイヤーの大坂なおみ選手が日産のブランドアンバサダーに就任したことを記念して発売されたモデル。Premium editionをベースに、ミッドナイトオパールを含む3色のボディカラーと新規組み合わせの3色の専用インテリアを自由にコーディネートできた。ドライカーボン製リヤスポイラーなども標準。1260万4680円(発売当時)。
【50th Anniversary】販売期間限定の生誕50周年記念車
GT-R生誕50周年を記念したアニバーサリーモデルだ。MY20のPremium editionをベースにかつて日本GPシリーズで活躍したハコスカGT-Rをモチーフとした2トーンカラーを3色設定(青/白、白/赤、銀/白)。ブルースポークのホイールやミデアムグレーのインテリアを採用する。50周年を記念する専用ロゴも各所に配していた。1319万2200~1351万6200円(発売当時)
【NISMO Special edition】専用色と高精度エンジン搭載の最高峰
GT-R NISMO(MY22)の発表時にお目見えした「NISMO Special edition」。特別塗装色であるステルスグレーを採用し、NACAダクト付きカーボンボンネットはあえてクリア塗装でアピール。専用アルミホイールにもレッドラインを施している。また、ピストンリング、コンロッド、クランクはより精度の高い部品を採用するなど、R35GT-Rの中でもより性能に特化したモデル。MY22のNISMOでは予約の99%がスペシャルエディションだと言われている。2464万円(発売当時)。
【T-spec】注文殺到の限定120台はR35の完成形となるのか!?
MY22の発表時に特別仕様車として登場したT-spec。正確にはPremium edition T-specとTrack edition engineered by NISMO T-specの2モデルとなる。当初合わせて100台の限定としていたが、予約注文が殺到したため、急遽20台増やして120台とした。
専用のカーボンセラミックブレーキやカーボンリヤスポイラー、エンジンカバーを採用。またPremium edition T-specには専用の内装を施したほか、専用アルミホイール採用のため、サスペンションをリセッティングしている。Track edition engineered by NISMO T-specには専用カーボンルーフやトランクリッドがあしらわれており、より軽量化を追求している。
特別色としてR34GT-Rニュルを思わせるミレニアムジェイドとR33で登場したミッドナイトパープルが専用の新色として加わったのもトピックとなった。1590万4900円(発売当時:Premium edition T-spec)/1788万1600円(発売当時:Track edition engineered by NISMO T-spec)
【GT-R 50 by Italdesign】全世界50台限定!720psの1億円超モデル
日産自動車のカタログモデルではなく、GT-R NISMOをベースにイタリアのカロッツェリア『イタルデザイン』社が製造販売する全世界50台限定生産のアニバーサリーモデル。NISMOが開発を手掛ける720psのVR38を搭載する。外板色や各部仕様などはフルオーダー式となり、車両価格は1億4530万5600円というスーパーな一台だ。
【NISMO N Attack package】ニュルタイムアタック車と同じ仕様にできるNISMO専用OP
ニュルで7分8秒679を記録した際の車両とまったく同じセッティングを施すことができるGT-R NISMO専用のパッケージオプション。専用ウイングやオーリンズ製の4WAY式サス、カーボン製パイピング、前後機械式LSD、ドライカーボン製フロントフェンダーなどをフルで装着可能だった(2019年8月30日をもって受注終了)。
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以上、歴代R35GT-R特別仕様車を一気に紹介させていただいた。GT-Rファンならずともクルマ好きにとっては、さらに最後にあっと驚くような特別仕様車を期待したいところだ。