超ロングモデルゆえに中古車市場が超オイシイ
日産から新型フェアレディZが発表になって話題沸騰だが、先代(?)は10年を超えるスーパーロングモデルだっただけに、中古車が100万円代前半から十分買える魅力的なモデルとなっている。そんな「遊べるZ」をイジって、お得に楽しむ方法とは?
タマ数もパーツも豊富で存分に楽しめる
2022年ついに正式発表された新型フェアレディZも「Z34型」で(正式にはRZ34型)、フルモデルチェンジではなくビッグマイナーチェンジ扱いということでややこしいのだが、ここで扱う「Z34」とはこれまで販売されていた従来モデルのことだ。2008年から10年以上もずっと販売されていただけあって、タマ数は十分。そして、ありがたいことに人気もそれほどない。というわけで中古車がとてもお安いのである。
中身は「VQ37」というV6 3.7Lの自然吸気エンジンを搭載。トランスミッションはマニュアルとオートマチックがあるが、上位グレードのマニュアルには当時話題となった「シンクロレブコントロール」を搭載している。シフトダウン時に勝手にブリッピングしてエンジン回転をアップしてくれる機能が付いているのだ。最近では搭載された車両も増えたが、当時はセンセーショナルだった機能なのだ。
きっちり仕上げれば筑波1分1秒台も夢ではない
まず吸排気チューンで、エアクリーナーとマフラー交換などを施し、ECUチューンをすれば350ps程度は簡単に実現可能だ。車重が1500kg程度ありお世辞にも軽くはないが、350psでトルクは約40kg-mとなれば結構速い。エンジンはV6らしいシルキーなフィールで高級感にあふれ、そこからパワーが炸裂するので十分に走って楽しめる。
タイム的には筑波サーキット2000で、ラジアルタイヤでライトチューンできっちり仕上げれば1分1秒台も不可能ではない。平成初期のフルチューンGT-Rくらいのタイムは簡単に出てしまう。
ちなみに先代Z34の究極の仕様は、「プロショップスクリーン」&「D2 japan」が作り上げたデモカー。エンジンは3.9L化され、約460psを発揮する。タイヤは最高峰ラジアルタイヤのブリヂストン・ポテンザRE-12Dでサイズは285/35R19を履き、筑波のタイムは59秒3をマークしている。
ライトチューンでも筑波1分3~4秒で楽しめる
とはいえZ34の良いところはハードにチューンしなくても楽しめるところ。トルクは十分にあるので、アクセルでクルマをコントロールすることができる。マツダ・ロードスターやトヨタ86/スバルBRZは基本的にアンダーパワーなので、結構チューンしないとアクセルONでテールスライドが起きにくい。対してZ34は十分にトルクがあるので、簡単にリヤをスライドさせることができ、それだけアクセルとステアリングのコントロールも楽しめる。その点についてのコストが必要ない点がお勧めポイントだ。
冷却系の対策は必要だが、ラジエーターとオイルクーラーの装着くらいでとりあえず大丈夫。エンジンチューンで大幅なトルクアップよりは遥かにコストが抑えられるのだ。
そしてZ34は前後の足まわりが素晴らしい。ダブルウィッシュボーン&マルチリンクのサスはしなやかで、車高調を入れてバネレートを上げて引き締めてもしなやか。車重もあるので、サーキット用にサスを作り込んでも街乗りがきわめて快適に仕上げられる。
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吸排気+ECUチューンとLSD、サス装着、冷却系対策と、ひと通りのライトチューンで十分楽しめてしまうのがZ34の利点。その仕様で筑波サーキット2000は1分3~4秒ほどで楽しむことができ、そんな人向けの「Zチャレンジ」なるホビーレースも開催されている。JAF戦ではない、楽しめるレースができる数少ない選択肢でもあるのだ。