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JPSカラーの軽トラがあった! ロータスのF1黄金期を支えたホンダ「TN360」とは

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 長尾 循/Lotus Cars/本田技研工業

チーム・ロータス黄金期を舞台裏で支えた360cc軽トラ

 TN360の最後期型、TN-7が生産された時期は1975年から1977年にかけて。チーム・ロータスがTN-7を新車で導入したのならその時代であり、チーム・ロータスの主力マシンといえば、以下のような陣容となる。

 1975年シーズンは72E/72F。古参ながら改良に次ぐ改良を重ね、しぶとい走りでしばしば上位に食い込んだ名機だ。1976年は最終戦・雨の富士スピードウェイでマリオ・アンドレッティがロータスに2年ぶりの勝利をもたらした77。1977年はグランド・エフェクトカー旋風を巻き起こした78、翌1978年にはその78に加え79をデビューさせ、M・アンドレッティがチャンピオン、僚友R・ピーターソンも2位となり、この年ロータスはコンストラクターズ部門でも1973年以来のチャンピオン獲得と、まさにチーム・ロータスの黄金期と重なる。

 ホンダの小さな軽トラックは、黄金期のチーム・ロータスとともに世界中のサーキットを飛びまわり、縁の下の力持ちとして1980年ごろまで活躍したという。かつてなら、このようなチームのサービスカーがミニカーになるなど思いもよらなかったが、昨今のミニカー趣味界ではトランスポーターやサービスカーなどもしばしば模型化の対象となって、好事家を楽しませてくれる。

 ちなみに今回のミニカーはかつてスパークからリリースされていたレジン製1/43モデル。エンジンやホイールなどの小物が付属しているのも、模型メーカーの遊び心が感じられて楽しい。

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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