ECU制御が高精度化したことで大パワーでも乗りやすくなった
ここまでをライトチューンの範疇とするならば、フルチューンの代表はタービン交換や排気量アップとなる。タービンは純正+αから1000psオーバーに対応するサイズまであり、排気量をアップすればより大きなタービンを回すことが可能になる。ECUによるセッティングの重要性はそこでも変わらず、ピークパワーと実用域のトルクをいかに両立させるかが、チューナーの手腕の見せどころと言えるだろう。
昔はフルチューンといえば『どっかんパワー』が当たり前で、サーキットのような限られたステージで本領を発揮できても、一般道での扱いにくさや燃費の悪さは仕方のないことだった。ところが現在はおもにECUの制御が進化したおかげで余分なガソリンを噴射せず、かつ豊かなトルクに乗って走ればアクセルを踏む量が抑制でき、昔と違い燃費も決して悪くない。大パワーと引き換えに失うモノは減ったと言って差し支えないだろう。
ただしラジエータやオイルクーラーといった冷却系の強化はエンジンを壊さないこと、そしてパワーを長時間に渡って維持し続けるために現在も必須であることは一緒。パワーを受け止めるタイヤやブレーキ、サスペンションなどのトータルチューニングも欠かすことができない。