サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

「ドッカンターボ」は昔の話! 最新エンジンチューンは「燃費よし」「乗りやすい」が当たり前になった!?

タービン交換などのハードチューンでもECUセッティング次第で乗りやすさは担保できる

最新のエンジンチューニングは「乗りやすい」が新常識!!

 チューニングの醍醐味といえばエンジンのパワーアップ。背中を蹴飛ばされるような加速感は一度でも味わったら病み付きになり、ノーマルで280psあろうと400psあろうと抗えない魅力がある。エンジン本体を含むパワー系チューニングの進化と魅力、そして注意すべきポイントをあらためて考えてみたい。

吸排気系チューンで気をつけたいのはバランスを崩さないこと

 大半の人が最初に手を付けると思われるのは吸排気系のパーツ、つまりエアクリーナーやエキゾーストマニホールド&マフラーだろう。最近のクルマは純正の完成度が高いうえECUで細かく制御され、ひと昔前ほど大幅なパワーアップは望みにくいと言われている。とはいえエンジン出力の特性に大なり小なり影響を及ぼすことは変わっておらず、選び方を間違えると「お金をかけて乗りにくくなった」なんて事態を招きかねない。

 排気量に対して排気系のパイプ径が太すぎれば低中速域のトルクは損なわれるし、細すぎれば高回転域での抜けが悪くなるといったデメリットがある。エアクリーナーも剥き出しタイプは吸気効率に優れている反面、レイアウトによってはエンジンの熱を吸いやすくなり、純正交換タイプを推すチューナーも意外と多くいるのだ。

 そのパワーやトルクを向上させることは勿論、エンジンの出力特性を好みに合わせて味付けするのがECUだ。純正を書き換えるにせよ社外品のフルコンを使うにせよ、燃調/点火時期/ブースト/レブリミットなどを変更することで、走るコース(サーキット)や乗り手の好みに合わせてセッティングすることができる。

 もうひとつ重要なのはトルクの谷をなくすこと。ノーマルやパーツのポン付けでは特定の回転域でトルクが落ち込んでいるケースがあり、そこをECUセッティングで解消することで「どこから踏んでも加速する」トルク特性へと向上させるのだ。

ECU制御が高精度化したことで大パワーでも乗りやすくなった

 ここまでをライトチューンの範疇とするならば、フルチューンの代表はタービン交換や排気量アップとなる。タービンは純正+αから1000psオーバーに対応するサイズまであり、排気量をアップすればより大きなタービンを回すことが可能になる。ECUによるセッティングの重要性はそこでも変わらず、ピークパワーと実用域のトルクをいかに両立させるかが、チューナーの手腕の見せどころと言えるだろう。

 昔はフルチューンといえば『どっかんパワー』が当たり前で、サーキットのような限られたステージで本領を発揮できても、一般道での扱いにくさや燃費の悪さは仕方のないことだった。ところが現在はおもにECUの制御が進化したおかげで余分なガソリンを噴射せず、かつ豊かなトルクに乗って走ればアクセルを踏む量が抑制でき、昔と違い燃費も決して悪くない。大パワーと引き換えに失うモノは減ったと言って差し支えないだろう。

 ただしラジエータやオイルクーラーといった冷却系の強化はエンジンを壊さないこと、そしてパワーを長時間に渡って維持し続けるために現在も必須であることは一緒。パワーを受け止めるタイヤやブレーキ、サスペンションなどのトータルチューニングも欠かすことができない。

モバイルバージョンを終了