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トヨタの「レーザー革命」とは? 「カムリ」が海外市場で人気だった理由を真面目に考える

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

スッキリあか抜けたスタイリングもFFの美点だった

 見逃せないといえば、スタイリングもそうだ。たしかに初代カムリ/ビスタが登場した1982年のトヨタ車といえば、おしなべてシャープなデザインの直線基調のクルマが主流だった。その中で初代カムリ/ビスタも分類すれば、直線基調でほかのトヨタ車と足並みを揃えているかのようだった。ところがFFのパッケージングをもとに、他車とはそこはかとなくムードの違う、斬新であか抜けた印象だったことは今でもクッキリと思い出せる。

 筆者はごく個人的に、リヤドアにパーティションを持たない6ライトキャビンのスッキリした佇まいに、その頃のルノーのセダンあたりやB2アウディ80あたりのイメージを重ねて眺めていたものだ。

 ちなみに登場年の1982年8月になると、ビスタに5ドアが追加設定され、リヤシートを倒せばセダンの約3倍(セダン385L、5ドア1112L)というラゲッジスペースが得られるプラスアルファの実用性を実現させ、クルマをレジャーや趣味に使いこなすユーザーからも注目を集めた。

* * *

 最初からFFセダンとして登場したカムリのブランドイメージそのものは決して派手なものではなく、あくまでもスマートで賢いクルマを選びたい……そんなユーザーに好まれた。

 TNGAをベースとする最新モデルはじつに10代目にあたり、先頃、日本市場でもマイナーチェンジを受けるなどしながら存続しているが、このクルマの場合はむしろ海外市場での人気が高く、とくに北米市場では長年ベストセラーの座にあったほど。実用セダンとしての実力を日本国内よりも海外市場で発揮、評価されてきたブランドなのである。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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