ドラレコのためのタフなメモリーカードも登場
また、近年「あおり運転」が社会問題として注目されたことで、急速に普及した装備がドライブレコーダーだ。事故の前後の状況を客観的に記録できるため、自動車保険会社でもドラレコ特約などが登場しており、マナーの悪いドライバーなどとのトラブルも記録できるので、ドライバーの安心感を高めてくれる人気アイテムとなっている。
ドライブレコーダーで走行映像を記録するにはSDカードが必要だが、走行中つねに映像が録画され続けるため、PCやデジカメなど、ほかのデジタルデバイスと比べると、圧倒的にSDカードが酷使されている。そのため、内部部品の劣化も早くなり、エラーが発生しやすくなるという問題がある。
そこでJVCケンウッドはドライブレコーダー向けに、繰り返しの書き込みに強くコストパフォーマンスにも優れる3D NANDのTLC方式を採用した大容量128GBのmicroSDXCメモリーカード「KNA-SD1280」を2022年8月下旬から発売。市場推定価格は1万6500円(税込)。
これは、一般的に普及している2D NAND型のTLC方式に比べて、記録セルの配列を垂直方向に積み上げる構造とすることで、隣接セル間による影響を低減。約10倍の書き込み回数に対応する耐久性を確保しながらも、大容量でコストパフォーマンスの良いSDカードを実現したという。
さらに同社製のドライブレコーダーとの連携によって、SDカードの交換時期を画面表示や音声で知らせる「SDカード寿命告知機能」に対応。いざというときの備えであるドライブレコーダーの録画エラーを未然に防止できる。
* * *
昔に比べるとかなり減ったとはいえ、飲酒・酒気帯び運転による悲劇や、思いもよらない交通事故、悪質なドライバーによるトラブルは、今なお後を絶たない。ドライバー個々人の心がけが大切なのは言うまでもない大前提として、事故やトラブルが発生しにくい社会システムを先端技術によって目指していくのが、令和のトレンドといえるだろう。