性能が統一されていることで白熱のバトルが生まれる!
今やさまざまな車種で開催されている、ナンバー付きレース車両によるワンメイクレース。各地のサーキットで行われていて、もはや日本のモータースポーツ界において「当たり前」な景色になっていますが、日本で本格的に開催されたのは2000年に入ってからでした。
今回はそんなモータースポーツの間口を広めてくれたナンバー付きワンメイクレースの歴史を、現在開催されているカテゴリーを中心に振り返ってみましょう。
GAZOO Racing Netz Cup Vitz Race
それまでほとんど無かった「ナンバー付き車両でレースする」というコンセプトを持ちこんだのが、2000年に開始されたトヨタのコンパクトハッチバック「ヴィッツ」を用いたヴィッツレースでした。
当時トヨタの新興販売チャネルであった「ネッツ」の名称が用いられ、ネッツカップのエントリーカテゴリーという位置づけ。ヴィッツレースの上にFRセダンのアルテッツァを用いたアルテッツァレースが存在していました(こちらはナンバー無しのレース専用車)。
ヴィッツレースは、それまでトヨタのワンメイクレース入門カテゴリーとして存在していたスターレットシリーズの後継として発足したカテゴリーで、ナンバー付き車両のワンメイクとすることで日常使用を可能にし、レース車両の輸送費用の軽減なども可能となり、コスト的なハードルをグッと低くすることを実現しました。
このコンセプトがウケて現在まで続いているのはもちろん、他のメーカーにも波及することとなり、ナンバー付き車両によるワンメイクレースはヴィッツレース以降増えていきます。
ロードスター・パーティレース
ヴィッツレースに続くナンバー付きカテゴリーとして2002年から開催されたのが、ロードスターパーティレースです。2001年末にマツダ・ロードスターに追加された競技ベースグレード「NR-A」をベースに、ロールバーやシートベルトといった安全装備を装着したロードスターで行われるこのカテゴリー。ライトウエイトFRで楽しめるナンバー付きレースということもあって、長年参戦している愛好家も多くいます。
現在では全国を回るジャパンツアーシリーズのほか、北日本、東日本、西日本と3エリアでそれぞれの地方選が行われていて、シリーズの争いやすさも人気の理由と言えるでしょう。また、各種パーツが指定されているほか、軽量なロードスターであるためランニングコストが安いのも魅力で、さらにNR-Aをベースにレースに必要な各種安全装備がディーラーオプションで装着できるというのも初心者にとっては嬉しいポイントと言えます。2022年には20周年を迎える長寿カテゴリーとなりました。