映画『ワイルド・スピード スカイミッション』に登場したホンモノの劇中車
映画『ワイルド・スピード』シリーズの魅力は、なんといっても新旧様々なクルマが登場するカーアクションにある。その中でも最先端のカスタムを施したマシンが困難なミッションに挑むシーンは心躍らされる。
今回、富士スピードウェイで開催された「FUELFEST」には、実際に『ワイルド・スピード』で使われた劇中車が2台も展示された。1台は氷上カーチェイスが話題になった『ワイルド・スピード アイス・ブレイク』に登場した「ダッジ・チャージャー」。そしてもう1台が『ワイルド・スピード スカイミッション』で主人公ドミニクが運転し敵のクルマと正面衝突して大破するという衝撃的なシーンを見せた「プリムス・ロードランナー」だ。
渡米して買い付けてきたプリムス
1970年代のアメリカン・マッスルカーの登場が多い『ワイルド・スピード』において、プリムス・ロードランナーは過去の作品にも幾度となく仕様を変えて登場している。ビビッドなオレンジにオールペイントされたこの車両は、現在のところ劇中プリムス・ロードランナーの中では最終モデルということになるだろう。
FUELFESTに展示されていたプリムス・ロードランナーは、もちろん実際の映画で使われたホンモノだ。現在の所有は東京都葛飾区でイベント・ドラマやPVなど各種撮影用の車両を提供する「ハリウッドオートサービス」だ。
代表である堀さんにプリムス・ロードランナー購入に至るまでの経緯を詳しく伺うことができた。
「『ワイルド・スピード』が大好きで、いつかは劇中車を手入れたいと、売り出し情報に対してアンテナを張ってました。するとこのクルマがたまたまアメリカで販売されるかもという情報が入りすぐに渡米し、販売元であるフロリダに向かいました。
劇中に登場したプリムス・ロードランナーは全部で5台製作され、3台は撮影中に破壊され、2台のみが残っていました。そして、1台がユニバーサルスタジオ・ハリウッドで公開の時に展示され、そのまま倉庫に保管。もう1台はフロリダで映画公開を記念するショーカーとして運ばれ、そのまま地元の大手ディーラーの手に渡っていました。それが売り出されるという情報が舞い込んだので楽しみにしてました。
しかし、実際に売買交渉がはじまると、かなりハードルが高く困難の連続でした。だけど、どうしても本物の劇中車プリムス・ロードランナーを日本に持ち込みたいという想いから、6か月も交渉を幾度となく重ねてようやく売却を承諾してもらいました。
その商談がまとまったのは2021年の5月のこと。そこから船便で日本に到着したのが2022年の7月だったので、8月11日開催の『FUELFEST』の展示に間に合うのか不安でした」