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ホンダ「NSX」の次に「タイプR」の称号が与えられた「インテグラ」について語ろう! 「赤い」バッジにシートは高性能の証だった

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TEXT: 御堀直嗣(Mihori Naotsugu)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

赤いバッヂは高性能車らしさを際立てていた

 ホンダ・インテグラは、1985年にクイントインテグラとして誕生。その前、クイントという車名の多用途車的な4ドアハッチバック車があった。シビックとアコードの中間的な存在で、より実用性を重視した使い勝手が売りだった。しかし、販売は必ずしも思わしくなく、2代目へのモデルチェンジに際し、クイントインテグラと名乗り、実用車からスポーティクーペへと大きく変身したのである。

 クイントインテグラは、まず2ドアハッチバックのクーペとして登場し、続いて4ドアハッチバックや4ドアセダンが加わるが、あえて遅れての発売となった。クイントインテグラはスポーティな存在として、すべての車種が直列4気筒DOHCエンジンを搭載し話題に。ただし、4ドアセダンが加えられた際には直列4気筒SOHCエンジンも選択肢に加えられている。とはいえ、運転を楽しむためのクルマというのが、クイントインテグラの狙いである。

Rの称号が与えられた初代タイプR

 次の世代から、車名は単にインテグラとなった。そして、ホンダの主力であるシビックより先に、VTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)エンジンを搭載する。クイントインテグラから、さらに高性能化していくインテグラの存在が際立つことになった。

 インテグラ(クイントインテグラを含む)として3代目となったとき、発売から2年後にタイプRが誕生する。ホンダ・インテグラ タイプR

 Rの称号が与えられるのは、NSXに次いで2台目であり、このあとシビックにもタイプRが加わることになる。ミッドシップスポーツカーのNSXは別として、乗用車の高性能車として、インテグラはタイプRの称号をNSX以外のどのホンダ車より先に与えられたことで、運転を楽しむためのクルマという位置づけは守られた。

 VTECエンジンは、排気量1.8Lで200馬力という性能を誇る。1.8Lで200馬力とは、リッター100馬力以上の性能であることから、まさしくエンジンのホンダとして面目躍如たる超高性能車となった。NSXやのちのS2000のような純粋なスポーツカーではなく、誰もが買える乗用車の高性能版として手に入るところに、クルマ好きは心躍らせたのである。

 車体の色は、ホンダが1960年代のF1に初挑戦した際の日本のナショナルカラーであるアイボリーを基にしたチャンピオンホワイトで、赤の背景にHの記号をあしらったバッジは、オーナーの誇りとなった。高く掲げられたリヤウイングも、高性能車らしさを際立てた。

3ナンバーになった2代目タイプR

 インテグラ・タイプRの2代目として2001年に登場したクルマから、3ナンバー車となった。これは、上質さとスポーティさを併せ持ったプレリュードの価値も併せ持つためであったとされる。それでも最高出力は、排気量を2Lに増大させたうえで220psを出し、相変わらずの高性能ぶりであった。

 しかしクーペに対する人気は次第に衰えはじめ、2006年に生産を終了することになる。

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