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「決定! 世界一美しいクルマはアルファ ロメオ」気になる「ティーポ33」の生産台数・現在の相場・兄弟車をお教えします

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: stellantis/原田 了

美しいだけでなくパフォーマンスも十分

 アルファ ロメオTipo33ストラダーレに搭載されるエンジンは、Tipo33用にアウトデルタで開発された90度のバンク角を持つV8ツインカム(4カム)をベースに、ロードゴーイング用にチューニングし直されたもの。1995cc(ボア×ストローク=78.0mmφ×52.2mm)の排気量は共通でスピカ製の燃料噴射システムを組み込んで、230psの最高出力を絞り出していました。

 ちなみに、1967年にカナダのモントリオールで開催された万国博覧会に参考出展されたアルファ ロメオのモントリオールが、1970年に市販される際にはTipo33/2の3Lバージョンをベースに2.6Lにスケールダウンした90度V8ツインカム(4カム)ユニットを搭載。Tipo33ストラダーレとモントリオール(市販モデル)は同系列のエンジンを使った兄弟モデルとみることもできます。

 一方、Tipo33ストラダーレのボディは、アルミニウム製のスペースフレームにやはりアルミ製のカウルを架装したもので、前後にコイルスプリングで吊ったダブルウィッシュボーン式サスペンションを組み込んだ4輪独立懸架を採用しています。ブレーキは前後にディスクブレーキがおごられていました。

 ボディサイズは全長×全幅×全高が3970mm×1710mm×990mmでホイールベースが2350mm。全長と全幅を見るとトヨタのGR ヤリス(3995mm×1805mm)に近いものの、それでもGRヤリスの方が25mm長く、95mmも幅広くなっています。アルファ ロメオTipo33/2ストラダーレ

 抑揚のあるデザインのせいか、大柄に見えるTipo33ストラダーレですが、じつはコンパクトに仕上がっているのです。車両重量もわずか700kgですから、スポーツカーに必須の軽量コンパクトを実践していることになります。

 Tipo33ストラダーレは当初、50台を生産することが予定されていましたが、諸般の事情によって18台が生産されたのみでした。正確には18台分のシャシーが製作され、そのうちの10台余りに美しいクーペボディが架装されるに留まっています。

 残るシャシーは、ベルトーネが製作したカラボや、ピニンファリナが手掛けた33/2クーペ・スペチアーレとクネオ、イタルデザインが手掛けたイグアナなど、コンセプトカーとしてスペシャルボディが架装されています。ということで現存するTipo33ストラダーレは10台前後です。

わずか10台前後で価格高騰も納得

 市販が開始された当時での価格は975万リラ。リラは当時イタリアで流通していた通貨で2002年にユーロに切り替わっており、当時の為替レートで検証するのは難しいのですが、同時期に登場しているランボルギーニ・ミウラのベースモデルが770万リラ、ハイパフォーマンス版のミウラSVで880万リラだったと言いますから、相当に高価であったことがわかります。

 世界一美しいクルマという評価に、現存する個体が10台前後とあって、オークションに出品されれば落札価格は10億円を下らない、とも噂されています。オークションの落札価格が高騰するのは、いかにも投機目的のようで個人的には馴染めないのですが、Tipo33ストラダーレの美しさなら、それも納得です。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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