時間もたっぷりかかる職人技の世界、一度はデモカーで試聴してみよう
もうひとつ、東北を代表する岩手県の「サウンド・フリークス」にも聞いてみた。デモカーのBMW X4の場合、機器代金が安定化電源まで含めて約350万円。ケーブル代が電源、スピーカー、RCAの合計で約100万円。これはフロント・スピーカーが6ウェイで1chあたり6mのスピーカーケーブルを使用しているのが要因で、1mあたり約4000円だとしてもスピーカーケーブルだけで25万円くらいかかっているのが大きい。さらにRCAケーブルはワイヤーワールド、サエク、ティグロン、BAラボなど各チャンネルで違うメーカーを使用し、これだけで40~50万円かかっているという。
取り付け費用はデモカーなので何も考えていないとのことだったが、ドアをほぼエンクロージャーにしているので、費用はかさむという。その分、デッドニング(制振&静音)の工程が省略できるのだが、50万円以上はかかる。そして一番問題なのが時間。このクラスのクルマを仕上げるには1カ月では終わらないため、デモカーであれば実現できるが一般ユーザーのクルマの場合、場合によっては実現できないかもとのことだ。
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おさらいしておくと、両方のショップとも、ハイエンド・カーオーディオを実現するならオーディオ機器代金が300万~350万円程度。そしてケーブル代金や取り付け費用を含めるとおよそオーディオ代金の倍くらいかかる。つまり600万〜700万円。なかなか良いクルマが買える金額だ。
そのようなお金をかけてでもハイエンド・カーオーディオが欲しいというユーザーは一定数おり、ある程度しか調整できないホームオーディオと違って0.1dBステップで多様な調整ができるカーオーディオは、運転席でとっておきの音が楽しめるスペシャルな空間を作り出せる。そんな進化を遂げたハイエンド・カーオーディオをぜひ体験してもらいたい。