高性能モデルの代名詞として愛されるAMGの持つ魅力とは
AMGが日本に正規輸入されたのは1987年で、輸入1号(販売車両)はW124 3.5(サッコプレートなし)。当時のマシンはまだレースチューンそのもので「野獣のAMG」だった。創業以来、モータースポーツへの挑戦と勝利を通して実証した高性能なエンジンを開発する高い独自の技術力で、レーシングカーはもちろん、顧客の要望に応えるスポーツカーを数多く手がけている。
世界の最高級車メルセデス・ベンツのなかでも、究極のハイパフォーマンスを追求したブランドがメルセデスAMG。このメルセデスAMGは1967年創立以来、今年2022年で、55周年記念を迎えている。そこで、1980年代後半から1990年代初頭にかけて輸入車が身近になり、とくにメルセデス・ベンツファンに人気のあるAMGの魅力にスポットを当て紹介しよう。
メルセデス・ベンツとAMGは違う会社だった
現在では、メルセデス・ベンツのハイパフォーマンスを発揮する最上級グレードとしてメルセデスAMGが位置づけられているが、メルセデス・ベンツとAMGは元々、異なる会社だった。
メルセデスAMGになる以前のAMGの説明は多くを要さない。1967年、メルセデス・ベンツのエンジンテスト部門で働くハンス・ヴェルナー・アウフレヒト(Hans-Werner Aufrecht)と彼の兄・フリードリッヒ、同僚のエルハルト・メルヒャー(Erhard Melcher)のわずか3人でメルセデス唯一のチューナーとして創業。アウフレヒトの生まれ故郷であるグローサスパッハ(Großaspach)のそれぞれの頭文字からAMG社となった。