華々しいレースデビューで存在感を示す
1971年、ベルギーのスパ・フランコルシャン24時間耐久レース初参戦で、メルセデス・ベンツ300SEL 6.8Lを駆って(ベースエンジン6.3L)クラス優勝、総合でも2位に輝き華々しくデビューした。その後、1978年には本社をグローサスパッハからアッファルターバッハ(Affalterbach)に移転。元々は独立チューナーだったAMG社は、その後、2005年にメルセデス・ベンツの完全子会社となり、2014年からはメルセデス・ベンツファミリーに迎えられ、ハイパフォーマンスを発揮する最上級グレード「メルセデスAMG」となった。
AMGのロゴは有名だが、その左にある5本の斜線「/////」はタイヤ痕の意味。エンブレムの輪郭の月桂樹はメルセデス・ベンツとともにレースの覇者を、左側の清い水とりんごの木はアッファルターバッハの町を、右側のカムとバルブはエンジンチューニングを表している。このエンブレムのステッカーは当初のカラー表記であったが、現在では下地のシルバーに黒文字で統一されリヤウインドウ左下に貼付されている。
2022年現在、メルセデスAMGの最高経営責任者はフィリップ・シーマ氏で、1987年からダイムラー社でメルセデス・ベンツ「Aクラス」の製品管理責任者やメルセデス・ベンツ乗用車のマーケティング責任者など、さまざまな管理職を歴任し2020年8月1日より就任した。
AMGの略は「宝石の宝庫」と称されるほど世界中を魅了
今年は55周年記念でそのロゴは少し変わっている。「Mercedes me」のオーナーアプリでわかるように、55の一桁数字の5が半分で56年以降の未来を敢えて示唆している。それは何を意味するのであろうか? それは最近、南仏のイベントで、メルセデス・ベンツ社の社長であるオラ・ケレニウスが多岐にわたるボディバリエーションを整理し、新しい戦略・収益性の高い高級車クラスへの方向性を強く打ち出したと言えば理解できるだろう(高級車クラスに加え、AMG、マイバッハ、Gクラスに注力する)。
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ところで、このAMGの読み方は、英語読みで「エーエムジー」と読むのが正しく、ドイツ本国では「アーエムゲー」。日本では、バブル時代のころに何故か「アーマーゲー」とも呼ばれていたが、筆者の理解に苦しむ所である(諸説あり)。しかし、AMGの社名は「A Mine of Gems(宝石の宝庫)」にぴったりだと言われることもある。では、世界を魅了するAMGの魅力はどこにあるのだろうか? その答えは中編にてお届けしよう。