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プロショップが考える理想のGT-R像とは? RB26&VR38チューニングの秘策を公開!(前編)

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TEXT: GT-Rマガジン編集部(GT-R Magazine)  PHOTO: 髙原義卓

数値に表れない領域まで調律すればフィーリングは激変

 同店ではコンピュータセッティングはすべて現車合わせで施しており、純正ECUベースのロムチューンとHKSのFコンV PROによるフルコン制御の双方を手掛けている。

「ロムチューンと比べると、Vプロのほうが圧倒的にセッティングの幅が広がります。パワーはハードウェアの性能である程度決まるものだと思っています。わたしはピークの数値はあまり重視していません。最も重要になるのは過渡領域での特性です。先ほどステップPROのカムのメリットをお話ししましたが、通常の中実構造のカムは高回転域で微妙に捻れが発生することで、6番シリンダーの点火時期に遅れが生じてしまいます。それは純正のクランクシャフトにも言えることで、6番の点火が2度くらいずれることもあるほどです。そうなると、せっかくバランスの取れた直列6気筒でも各気筒の燃焼に差が生まれてしまいます」

 亀谷代表が拘る「過渡特性」とは、数値には表れない領域まで入念に調律することを指す。気筒ごとにアンバランスな燃焼を揃えてあげることでよりスムーズにエンジンを回し、下から上までキレイに吹け上がることを意味するという。

「Vプロにもある程度基準となるベースのデータが入っているのですが、わたしはほかのチューナーとは違うアプローチでセッティングを進めています。各気筒別に点火時期と燃調を整えますし、マップにはVプロとは別のフルコン(リンク)の計算式も応用しています。ピークの性能はハードでだいたい決まってしまいますが、最終的にはセッティングでいかにバランスが取れるかが重要です」

ツボを抑えれば高ブースト圧でも壊れない!

 同店で最もポピュラーなのは2.8L+Vカム+GT-SSタービンという仕様で、最大ブーストは通常1.3kg/cm2あたりが一般的である。だが、亀谷代表いわく、

「もっと上げたいならば、1.5kg/cm2とか1.6kg/cm2掛けても問題ありません。それにはヘッドガスケットをステンレスのメタル製に換えていることが前提で、もちろんインジェクターの容量など物理的な限界はありますが、ブースト圧を上げてもノッキングを起こさなければエンジンは壊れないのです。パワーを出すにはBIGサイズのタービンが必須というイメージがありますが、燃焼効率をしっかりと確保したセッティングを施せば、小さめのタービンでもブーストを上げることでパワーを得ることが可能なのです」

 同店でエンジンをオーバーホールしたGT-Rオーナーの多くは15年、20年と施工後もノントラブルで、エンジンを降ろすことなく乗り続けているという。ハードウェアの選択である程度の性能は決まるが、実際にドライバーが感じる過渡領域でのフィーリングはチューナーによるセッティングの“さじ加減”で決まる。それがウエストスポーツの哲学なのだ。

 後編では、鈴鹿サーキット最速ホルダーである同店の“R35デモカー”の秘密に迫る。

(この記事は2020年8月1日発売のGT-R Magazine 154号に掲載した記事を元に再編集しています)

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