内部の装備は業態に合わせてカスタマイズできる
この車両は右側面に上下2分割の開口部を設け、ここがカウンターとなっている。跳ね上げた上半分が日除けになっており、下半分がカウンターテーブルとなる仕組み。このクイックデリバリーがほかのキッチンカーと異なるのは、内部の設備がスケルトン構造となっている点だ。車体前方に水タンクとシンクがある以外は、設備を全て脱着可能にしてあり、業態によって必要な設備を組み合わせる仕組みだ。取材時には冷蔵庫が備わっていたが、これをコンロやフライヤーなどの調理設備に変更することも簡単。鶴金社中ではさまざまな調理器具や厨房機器をレンタルしているので、自分の販売形態に合った厨房を作ることができるのだ。
ちなみにリヤゲートにはハシゴが装着されており、これを登ると、畳まれた大きな看板が見える。この車両のルーフには折りたたみ式の2.5m×0.9mという大きな看板が備わっている。立ち上げるとちょうどカウンターの上に掲示される仕組み。車体に対してかなり大きく、看板の高さは最高で3.5mにもなるそうなので、広告効果は大きそうだ。キュートなスタイルと背の高い車内、クイックデリバリーはキッチンカーの素質を備えた隠れた名車だったのだ。
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かつて街中を走り回る配送業務で使われていたクイックデリバリーは、キッチンカーに生まれ変わっても大活躍。コンパクトな車体は日本の道路事情にもぴったりマッチする。どんな場所でも出店できる最適な一台であり、キッチンカーのベース車としての戦闘力は高そうだ。