ハイソカーブームに乗って開花したカーアクセサリー
今から約40年ほど前に青春時代を過ごした昭和世代の人にとって、クルマは単なる移動の足ではなく、自らの趣味趣向を示すものであり、またクルマ自体が楽しむためのものだった。そのため、ある意味で遊びのための玩具という感覚もあった。
そこで、クルマ遊びをもっと自分らしく楽しむためのカー用品が生まれた。これらのアイテムは、1980年代の「ハイソカー」ブームに乗って、カーアクセサリー文化として大きく開花した。
車内をリビングのようにドレスアップ
当時、クルマを飾るドレスアップは外装だけでなく、インテリアの装飾にも向けられた。自分好みに仕上げるべくステアリングを選び、シートカバーを取り付けて、さらにフロアマットを交換した。
こうしたクルマ好きの若者が活動する時間帯は、今と変わらず夜であった。ということで、必然的に車内をムーディーに演出する光り物を使ったアピールも欠かせなかったのだ。
カー用品の量販店に行けば、様々なイルミネーションアイテムが数百円という買いやすい値段で売られており、思わず買いすぎて、1個口から3個口に増やすシガライターソケットを連結させるなんて荒業を使って電飾仕様の車内を作ってしまったオーナーもいたはずだ。
光り物系カー用品は、この時代を象徴する主役的な存在。そのため様々なモデルが誕生した。そこで、昭和世代の青春時代を象徴する懐かしのカーイルミネーションを5つ厳選して紹介しよう。
懐かしストップランプ
ハイマウントストップランプなんぞ純正オプションにもなかったような時代に流行ったのが、「ウルトラマンストップランプ」だ。ブレーキに連動して目が光るようになっており、ウルトラマンを観て育った昭和世代の心をがっちり掴んだ。
また、同様のアイテムに「バルタン星人」もあって、こっちはハサミがウインカーと連動して光るように左右に取り付けるタイプだった。この当時は数多くの光物が登場し流行った時代だったが、このふたつは別格的に人気の定番アイテムだった。これ以外では、季節ものアイテムとして、「雪だるま」のぼんやり赤く光るストップランプの装着率も高かった。
置き型スピーカー
昭和車の純正スピーカーはとてもお粗末な物で、当時、ちょっとこだわっている人ならスピーカーを交換することが当たり前だった。
中でも人気だったのが、2ウェイ、3ウェイタイプのケンウッドやカロッツェリアなど、リヤトレイにスピーカーを載せたときにロゴが点灯し、華やかに演出する物が爆発的にヒットした。当時は、あえて後方車にスピーカーを交換していることをアピールする意味もあった。
モデル末期には機能も充実し、ただ光るだけでなく、ハイマウントストップかわりにブレーキランプと連動したり、ウインカーと連動するタイプが登場した。
オーディオレベルインジケーター
カーオーディオの交換があたり前だった時代、さらなる追加アイテムとして流行ったのがパワーレベルインジケーターだ。
緑、黄色、オレンジ、赤のインジケーターがカセットデッキから流れる音楽に合わせて左右にピカピカと光るだけのモニターだったが、これを取り付けることがひとつのステータスでもあった。
また、ひとつでは満足できず、連結させて同調させるスタイルも流行った。パナソニックやクラリオンのオーディオレベルインジケーターが定番だった。
ルームランプ
ハイソカー時代を牽引していたクルマ好きの間で大ヒットしたのがルームランプの変更だ。カーシャンデリアと呼ばれ、レインボーの光が車内を幻想的な雰囲気へと導いてくれた。
大小様々なタイプが販売され、Bピラーの両サイドにセットするモデルも登場した。強者はルームランプのかわりにミラーボールをセットしてディスコな気分を車内で味わっていたものだ。
LOVE灯&光ファイバー
ハイソカーという言葉が生まれた頃、車内を飾る光り物が脚光を浴びるようになる。中でも定番だったのが、ヤックが発売していた「LOVE灯」だ。これをフロントウインドウやリヤウインドウに付けるのが大流行した。
また、LOVE灯以外にも「流星灯」も登場。さらに、ハート型に弓矢を付けて光らせるという凝ったモデルが登場。さらに、当時は光ファイバーが出始めたばかりで、幻想的な光の動きで車内をムーディーに演出した。
価格も安いものだと数百円から購入出来たということもあり、カー用品店に入荷するとすぐに完売するほどだった。