戦闘機をイメージしたデザイン
レヴェントンのスタイルは、猛禽類、すなわちラプターの愛称でも呼ばれたステルス戦闘機F22などからインスピレーションを得たものとされる。シャープなエッジや、攻撃的な面構成はいかにも大胆なデザインで、当時ランボルギーニの担当ディレクターだったマンフレッド・フィッツジェラルドは、ヨーロッパのNATO基地にレヴェントンのデザインチームを連れていき、その後デザインのコンペティションを行ったとも言われている。
レヴェントンのデザインで最も特徴的なのは、やはりフロントセクションの造形だろう。フロントノーズはさらにシャープなデザインとなり、親会社であるアウディのLEDヘッドライトも組み込まれた。一方リヤでは排気熱を考慮してより耐熱性の高いLEDランプを特別に開発する必要があったともいう。
リヤミッドに搭載されるエンジンは、6.5L V型12気筒自然吸気。最高出力はRMサザビーズでは670psと発表しているが、発表当時の資料によれば、それは660psとノーマルのムルシエラゴLP640から10psのエクストラを得たものであった。ギヤボックスは6速MTと同eギヤの選択が可能だったとも同社は解説している。
ビスカスカップリングを使用した4WDの駆動方式を持つことは、すでにこの頃になるとランボルギーニ車のスタンダードとなった。前後のホイールは18インチ径。そのデザインもレヴェントンに専用のもので、フロントに245/35ZR18、リヤには335/35ZR18サイズを設定したタイヤも、ピレリによって専用設計されたものである。
サスペンションはレヴェントンのためにセッティングを改めたダブルウィッシュボーン形式。おそらく、ミッドシップスポーツとして非常に魅力的なコーナリングを実現してくれるのだろう。
ドライバーズシートに身を委ねると、まず目に入るのはまさにジェットファイターのグラスコックピットと表現するのが最適なメーターパネルである。最高速は340km/hに達し、0-100km/hを3.4秒で加速するレヴェントン。
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今回出品された12号車の落札価格は、195万2000ドル(邦貨換算約2億7000万円)。最近値上がりの傾向が強くなってきたランボルギーニだが、その傾向はクラシックモデルだけではなく、最近の限定車にも顕著に表れているようだ。