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マニアも知らないスバル「インプレッサ リトナ」とは? WRC優勝も伝説の「22B」のルーツもすべて「女性向け」車両だった!

インプレッサ リトナのフロントスタイル

1995年に登場したインプレッサ リトナのフロントスタイル

知る人ぞ知るスバルのレア車「インプレッサ リトナ」はどんなクルマだったのか?

 歴代インプレッサシリーズのなかでも、唯一2ドアクーペが存在した初代GC型インプレッサだが、2ドアのインプレッサと聞いてスバリストなら名車「インプレッサ22B STIバージョン」や「インプレッサWRX STiバージョン タイプR」などを思い浮かべるだろう。しかし、最初に2ドアとして1995年に登場したインプレッサは、意外にも「リトナ」と呼ばれるNAモデルだった。インプレッサ リトナは元々輸出向けの2ドアクーペボディに1.5L EJ15型水平対向4気筒エンジン、もしくは1.6L EJ16型エンジンを搭載。1.5LにはFF、1.6LはAWDとし、それぞれ4速ATと5速MTをラインアップした。

凡庸なエンジンだったが軽量ボディゆえに走らせる楽しさがあった

 1.6LのAT車はフルタイムAWDであったが、MT車は初代インプレッサシリーズで唯一の切り替え式セレクティブAWD(パートタイム方式)を採用。1.5Lモデルが97ps、1.6Lでも100psとお世辞にも高出力とは言い難いスペックであったが、最軽量の1.5LのFF車では車両重量がわずか1020kgで、MT車であれば実用上は意外と不満のない動力性能であった。しかし、ターゲットがそもそも女性ユーザーであったためか扱いやすさを重視し、スポーツ性能は皆無であったことから、インプレッサ=ラリーというイメージのクルマ好きからは特段注目されることもなく、わずか1年でひっそりと姿を消した。

伝説の限定車「22B」誕生になくてはならない存在だった「リトナ」

 話をWRCに向けると、1997年にスバルもWRカー規定に沿い、それまでのセダンボディベースのグループAマシンから、2ドアクーペのWRカーを投入。当然ながら2ドアボディはこの時点でリトナしか存在しなかったため、WRカーのベースはリトナであったことは意外と知られていない事実だ。

 WRカーが実践投入されたのち、WRC2連覇を記念した特別記念限定車としてVシリーズが登場。このとき、現在でも根強い人気を誇るインプレッサWRXタイプR STi バージョンが設定された。これはWRXの名を冠した初の2ドアモデルで、受注生産でありながら当時から爆発的人気となり、翌年にはカタログモデルへと昇格したインプレッサ WRXタイプR STiバージョンIVをリリース。さらに、1998年には伝説の限定車インプレッサ22B STiバージョンが登場。発売から25年近くが経過するも、今もなおスバル&STIが誇る伝説のクルマとなっている。

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 登場時こそ「セクレタリーカー」と呼ばれる手軽に乗れるオシャレカーのインプレッサ リトナであったが、このクルマが存在したからこそWRCで活躍したWRカーや、インプレッサWRXタイプR STi バージョン、さらには伝説のインプレッサ22B STiバージョンが世に登場したことを考えると、その功績は実に大きい。地味ではあったが、主役級の人気モデルの陰に隠れた名バイプレーヤーとして「リトナ」を称えたい。

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