装備のチョイスもモテるかどうかで決める
結論として、デートカーとはクルマそのもののムーブメントというより、クルマはモテるため、そしてデートの道具だったというのが正しいだろう。筆者は当時大学生で、別にデートカーには興味がなかったが、冗談抜きで街にはシルビアやプレリュードがいっぱい走っていて、運転しているのは大学生らしき人たち。サマーセーターを肩から掛けて、助手席には女子大生が乗っていたものだ。
サマーセーターなどのスタイルは、これまた雑誌『ホットドッグプレス』の受け売り。つまり、デートカーとデートマニュアル、このふたつが時代を作っていて、大半の人はデートマニュアルに掲載されていたからシルビアやプレリュードに乗っていたというだけで、性能がスゴイなどクルマありきのブームではなかったように思う。装備もモテるというのが基準で、例えばシルビアのヘッドアップディスプレイはその代表格だ。
ちなみにデートカーに乗っていないとモテないかというとそんなことはなく、イケてる女子大生とはデートができないというだけで、クルマ好きの女の子もけっこういた。普通にクルマでデートをしていたし、ハチロクに乗って深夜の峠に行くなんてこともあった。
最後に、デートカー、そしてスペシャリティカーの定義として当時見たなかで印象的な表現を挙げておくと「なくても困らないクルマ」というのがあった。まさに言い得て妙な言葉だ。