2007年:リタイア続出! 「サバイバルラリー」をミッコ・ヒルボネンが制す
一方、2007年のラリー・ジャパンを回顧する場合、真っ先に思い浮かぶキーワードが「サバイバルラリー」だ。
というのも、フォードのエース、マーカス・グロンホルムがSS4で転倒し、そのままリタイアしたほか、SS5ではスバルのエース、ペター・ソルベルグもギヤボックスのトラブルでその日の走行を断念。さらにSS6ではチームメイトのクリス・アトキンソンがクラッシュでマシンを止めるなど、レグ1からワークス勢が脱落していた。
さらにレグ2のSS13ではシトロエンのエースとして2番手につけていたセバスチャン・ローブがコースアウト。当時のWRCはシトロエンのローブ、フォードのグロンホルム、そしてスバルのペターを加えた「3強」で上位争いが展開されていたが、まさに2007年のジャパンは「3強」を含めてワークス勢が総崩れとなるサバイバル戦が展開されていた。
この波乱の展開を演出した要因は雨によるウエットコンディションだったが、この過酷なラリーを制したのは、フォードのセカンドドライバー、ミッコ・ヒルボネンで自身3勝目。ちなみに、同年のフォードはマニュファクチャラーズ部門で2連覇を果たしたが、このミッコのラリー・ジャパンの勝利がタイトル獲得に大きく貢献したことは言うまでもない。
2位にシトロエンのセカンドライバー、ダニ・ソルド、3位にフォードのセカンドチーム、ストバード・フォードのヘニング・ソルベルグが付けるなど「3強」が不在のポディウムとなったことも、2007年のラリー・ジャパンがいかにサバイバルで、脱落者が続出したかを物語るワンシーンとなった。