フェラーリの良さを引き出すカスタム
2019年に発表されたフェラーリ「SF90ストラダーレ」は、フェラーリとしては初のPHEVのシステムを導入したAWDのスーパースポーツだ。SF90とは同社のF1チームである、スクーデリア・フェラーリの創設90周年を意味する称号であり、またストラダーレはそれがロードカーであることを意味している。またその生産が限定ではなく、通常のシリーズ生産とされることも、SF90の人気にさらなる追い風を生み出している。
美しくも迫力あるボディワーク
このSF90ストラダーレをベースに、さらにパフォーマンスを強化すべく、いち早くチューニング・プログラムを発表してきたのが、すでにフェラーリ・チューニグではお馴染みの「ノビテック」だ。まずはノーマルのスタイリングからエアロダイナミクスをより向上させるためにノビテックのデザイナーがスタイリングした数々のディテールに注目してみよう。
フロントフェイシアにはノビテック製のフロントスポイラーと、着脱が可能なサイドセクションが組み合わされており、同様にカーボン素材で成型されたセンターセクションとともに、SF90のフロントマスクをより精悍に際立たせるとともに、高速域での操縦安定性を高めることに成功している。
フロントフェンダー上には、ホイールハウス内からのエアを効率的に排出するためのエアアウトレットが設けられ、さらにフロントフードはロワ・エアアウトレットとフロントウインドウ前部のふたつのカーボントリムエレメントによって、よりレーシーな雰囲気にアップグレードすることも可能であるという。
さらにフロントフェンダーは、それ自体をカーボン製のノビテック・レース仕様に交換することもできる。こちらも独自のフィニッシュとなるロッカーパネルも用意され、それによってサイドから見た外観はよりスポーティなものになる。サイドミラーの上部と左右のドアの三角形のウインドウも、カーボン・エレメントでアップグレードができる。
ノビテックのデザイナーがSF90ストラダーレのリファインを、美しさとともに機能性に関しても十分に意識して行っていることは、例えばリヤクオーターパネルのインテークに追加されたエアディフレクターなどに見ることができる。その目的は、もちろん気流をより正確にエンジンルームへと導き、冷却効率を高めること。
またリヤアクスルにより大きなダウンフォースを発揮させるため、ノビテックはカーボン製の大型ダックテール・リヤウイングもデザインしている。ルーフスポイラーも同様の素材で製作されたノビテックのオリジナル・プロダクトだ。
前後のホイールは、アメリカのヴォッセン社と共同で開発と製造が行われた5本スポークデザインの鍛造「ノビテック・NF10」。サイズは21インチ径で、タイヤはフロントに255/30R21、リヤに325/25R21を組み合わせる。ちなみにノビテックでは、異なるデザインの21インチ径ホイールのほかに、ノーマルと同サイズとなる20インチ径も設定。カスタマーのリクエストに応えている。