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ついに6億円オーバー! フェラーリ「288GTO」はもはや別格扱い! スペチアーレの高騰で予想されるオークション動向とは

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2022 Courtesy of RM Sotheby's

ついに6億円越え!マーケットは再び暴騰の兆し?

 今回、RMサザビーズ「Monterey」オークションに出品されたフェラーリ288 GTOは、1985年半ばに完成したものと伝えられている。真紅の「ロッソ・コルサ(300/6)」のペイントに、黒革「ネロ(VM 8500)」インテリアを組み合わせ、ほかの288 GTOにはあまり見られない純正エアコンとパワーウインドウを装備しているという。

 カリフォルニア州ロサンゼルスのフェラーリ正規ディーラー「ハリウッド・スポーツ・カー」社が新車として輸入し、数年間は同社オーナーであるクリス・ヴァンダグリフ氏が、プライベートカーとして所有していたと言われている。

 1989年6月にジョージア州レイク・ラニア島で開催された「フェラーリ・クラブ・オブ・アメリカ(FCA)」ミーティングのコンクールに出品。クラス優勝を果たしたのち、1994年に走行距離わずか1000kmで売却された。

 その後は北米各州のオーナーのもとを渡り歩くも、その間もモントレーで開催されたFCA主催の国際フェラーリ・コンクール・デレガンスや「コンコルソ・イタリアーノ」などのコンクールでクラス賞を獲得するなど、かなり有名なGTOとされているようだ。

 そして2009年、ニューヨーク在住のコレクターが入手したこの個体は、2010年2月に「フェラーリ・クラシケ」レッドブックを獲得。マッチングナンバーの機械部品がすべて現存していることが証明された。

 2011年に現在の所有法人である「The Pinnacle Portfolio Collection」の手に渡ったのち、過去11年間にも最適なメンテナンスが施され、走行距離も最小限に抑えられながら、時おり楽しまれてきたという。

 この素晴らしくメンテナンスされたフェラーリの元祖スペチアーレは、2011年にイリノイ州シカゴのスペシャリスト「コンチネンタル・フェラーリ」によって、当時3万ドルの整備を受けたほか、今回の出品に備えてはタイミングベルト交換を含む、総合的な整備を受けたとのことである。

 このフェラーリは輝かしいコンクール歴に加えて、「オートモービル」誌の表紙や「プレイボーイ」のグラビアページでも紹介されるなど、アメリカではもっとも有名な288 GTOの1台とのこと。それだけに、RMサザビーズ北米本社と現オーナーが設定したエスティメート(推定落札価格)は、375万ドル~425万ドルという、かなり強気なものであった。

* * *

 ところが実際の競売ではビッドがどんどん進み、終わってみれば440万5000ドル(邦貨換算約6億3000万円)という、驚きの価格で落札されることになったのだ。

 円安の進む日本円換算ではことさらに驚いてしまうのも事実ながら、そもそもの落札価格自体も288 GTOでは過去最高クラスのもの。

 2010年代中盤をピークに、いったんは沈静化したかに見えたクラシックカー/コレクターズカー・マーケットが再燃していることを印象づける結果となったのである。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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