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バブル時代のホンダ「NSX」が残した功績とは? 欧州スーパーカーに影響を与えた当時最先端の技術を振り返る

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TEXT: 近藤暁史(KONDO Akifumi)  PHOTO: 本田技研工業

30年前にホンダがプレミアムスポーツを販売したのは日本の誇りだ

 1990年あたりというのは日産「スカイラインGT-R」など、名車と呼ばれるスポーツカーたちが大挙して登場した時代で、もちろんNSXもそのうちの1台となる。発売当時の反響はというと、バブルの影響もあって発売時は予約が殺到したうえに、手作業の工程も多く納車まで3年待ちという状態に。転売も多く発生し、ちょっとした問題になった。

 ただし、バブル崩壊後はキャンセルが続出し、販売的には大成功したとは言い切れなかった。ちなみに価格は800万円(5速MT/栃木価格)で、当時としてもスーパーカーとしては安かった。

NSXの走り

 評価については、スーパーカーなのに乗りやすくて醍醐味がないといったものも見受けられた。筆者が実際に乗ってみても軽くて雨の高速道路でフロントが浮くといったこともあったが、全体的には気を使うことなく、運転することができた。またゴルフバッグを積むため、エンジンの後ろにスペースをわさわざ追加するなど、量販メーカーがスーパーカーを作る難しさが露呈してしまったとも言える。

 日本での販売台数は7011台で、世界では1万6864台が販売されたとされる。ホンダらしく性能にこだわった反面、フェラーリやランボルギーニなどと肩を並べるほどのプレミアム性はなかったのは事実。ただ、1990年、つまり30年も前にこのようなスーパーカーを日本のホンダが作ったということは十分に価値があることで、日本の宝と言っていい。

※ ※ ※

 今でもホンダはリフレッシュプランを設けて対応している(現在、一時受付休止中)のも、心意気として評価できる。日本車もプレミアム化が進んでいるが、NSXを超えるクルマが出てきていないのも事実だ。

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